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HYFLEXPOWER: 世界初の総合型P2X2P (power-to-X-to-power)による水素燃焼ガスタービン実証機

(シーメンス ガス&パワーGmbH & Co. KG、Engie Solutions、Centrax Ltd. 共同プレスリリース 2020年5月29日 独ミュンヘン発)
Engie Solutions、シーメンス ガス&パワー、Centrax、Arttic、ドイツ航空宇宙センター (DLR)と欧州の4つの大学はHYFLEXPOWER プロジェクトのコンソーシアムを形成し、研究・ イノベーションの枠組み「ホライズン2020」のもとで欧州委員会からの助成を得て、プロジェクトを実施します(コンソーシアムと欧州委員会間で締結する協定書: Grant Agreement 884229)。フランスのSaillat-sur-Vienneにある再生紙製造企業、Smurfit Kappa PRFのサイトで、産業規模としては世界初の水素燃焼タービンを搭載したP2X2P (power-to-X-to-power)[1]の実証機を使用したプロジェクトを実施します。再生可能エネルギーから水素を製造(いわゆるグリーン水素)・貯蔵し、既存コジェネレーション発電設備の燃料である天然ガスに水素を混合させます。水素100%の利用を実証することがプロジェクトの狙いで、この貯蔵した水素を燃料として使えるよう既設のシーメンス製ガスタービンSGT-400を改良します。

世界初: 産業規模のP2X2P (power-to-X-to-power) 実証機
「ホライズン2020」を通じ、欧州委員会は革新的な製品やサービスを開発・創出し、欧州全体の成長を促進することを目指し、革新性の極めて高い研究・実証プロジェクトを支援しています。そのため、欧州委員会は入札プロセスを通じて助成金を付与し、数多くの競合の中からHYFLEXPOWERを選定しました。

HYFLEXPOWERプロジェクトは、再生可能エネルギーにて製造したグリーン水素を貯蔵し、さらにガスタービン発電に使用することで、グリーン水素が柔軟性のあるエネルギー源として役割を果たし得ることを実証するものです。

再生可能エネルギーの負荷変動は、エネルギー変換において大きな課題となっています。このためHYFLEXPOWERプロジェクトに関与する各ステークホルダーはP2X2P (power-to-X-to-power)1のシステム全体で使用可能な新技術開発に取り組んでいます。実証機は再生可能エネルギーによる余剰電力をグリーン水素の形態で貯蔵します。電力需要の高い時期には貯蔵されたグリーン水素を発電に使用し、電力網に供給します。

Engie SolutionsはフランスのSaillat-sur-VienneにあるSmurfit Kappaのサイトでのエネルギー製造を委託されています。Engie Solutionsはここで12MWのコジェネレーション発電設備を運営しており、製紙会社が必要とする蒸気も製造しています。既存インフラの改良は、ゼロからの建設より大幅にコストを削減し、納期も短縮することができるという利点があります。このプロジェクトを通じ先進的な発電システムを開発・実証し、工場の既存発電設備の最新化、そして改良に貢献していきます。

2回の実証を経て、天然ガス・水素混合燃料で施設の発電を行い、最終的には100%水素での運転を目指します。そのため、HYFLEXPOWERプロジェクト全体のゴールは、完全にカーボンフリーなエネルギーミックスを目指した100%グリーン水素による電力供給を試験することです。これにより、SGT-400のベースロード運転で年間最大6万5千トンのCO2削減につながります。

欧州技術の集結
公募によってえらばれたこのコンソーシアムは、欧州の企業と組織のみで形成されています。それぞれのステークホルダーは次のような役割を担います。

Engie Solutionsは、水素製造・貯蔵施設の建設を行います。タービンへ燃料供給する天然ガスと水素の混合ステーションも建設します。
シーメンス ガス&パワーは水素製造の水電解装置を供給し水素燃焼ガスタービンの開発を行います。
Centraxは水素運営パッケージの改良とタービンの据付を行います。
ドイツ航空宇宙センター (DLR)とロンドンカレッジ大学、デュークブルク・エッセン大学、ルンド大学は水素燃焼タービンの技術開発を支援します。
アテネ工科大学は本コンセプトの経済性、環境性能、社会的評価を行います。
Artticはプロジェクトの運営プロジェクト管理とプロジェクトのコミュニケーション活動を支援します。

プロジェクトの総予算は約1,520万ユーロで、そのうちの1,050万ユーロは「ホライズン2020」プログラムによるEUからの拠出になります。

プロジェクトは2020年5月1日、正式にスタートし、以下いくつかのフェーズに分けて4年間かけて実施されます。
2020年5月: 契約の最終決定とエンジニアリング開始
2021年: パイロット実証サイトへの水素製造・貯蔵供給施設の据付
2022年: 水素混焼タービンの据付と改良型パイロットプラントの実証開始
2023年: 貯蔵されたグリーン水素からのカーボンフリーエネルギー製造を目指し、最大100%水素でのパイロット実証

お客様に100%カーボンフリーソリューションを提供するシーメンス、Engie Solutions、Centraxの戦略に合致したこの技術は、将来を極めて有望視されています。

脱炭素化の推進を担うシーメンスガス&パワー
シーメンス ガス&パワーはP2X2P (power-to-X-to-power)1のためのインフラ構築によってお客様の脱炭素化を支援し、業界を超えて世界の脱炭素化を支援しています。シーメンスでは発電・熱から、送配電、効率の高い水素製造の水電解装置に至るまで、長期的なCO2フリーのエネルギー供給のためにあらゆる中核技術を提供しています。

シーメンス ガス&パワーの発電部門CEO Karim Aminは「シーメンス ガス&パワーはエネルギーシステムの脱炭素化の立役者として世界を牽引したいと考えています。私たちの目標はガスタービンで100%水素燃焼を可能にすることです。それによって私たちのガスタービンは、お客様が再生可能エネルギーによる過不足を補い、将来の脱炭素社会で安定したエネルギー供給できる “選ばれる技術”となることができます」と述べます。

水素に未来をかけたステークホルダー、Engie Solutions
グリーン水素は未来のためのエネルギーとして、エネルギー転換において重要な役割を果たします。Engie Solutionsにとり、宇宙で最も豊富に存在する元素は産業プロセスの脱炭素化に必要不可欠な要素です。

Engie Solutionsは、水素エネルギーが地域や製造企業の転換を加速させるうえで役立つものととらえ、グリーン水素の開発を支援しています。Engie Solutionsでは進行中や今後のものも含め、すでに数々のプロジェクトを抱えています。

Engie Solutions産業部門CEO、Pierre Hardouinは「HYFLEXPOWER プロジェクトには、環境に配慮したエネルギー利用とエネルギー利用の最適化を目指す地域や製造企業を支援するというEngie Solutionsの決意が改めて表れています。産業用規模でのグリーン水素の開発は恰好の事例です。この実証機は私たちの未来です」と述べています。

水素に対応するソリューションの開発を担うCentrax Ltd.
Centraxは、グリーン水素は脱炭素化のエネルギーシステムへの道のりにおいて欠かせない存在と考えており、水素燃焼システム開発への支援として、「ホライズン2020」プログラムから巨額の出資を得られることを歓迎しています。

「私たちのコジェネレーションガスタービンを水素に対応できるようにし、将来が保証された発電ソリューションをお客様に提供することが私たちの目標です」とCentrax Ltd.の事業開発部門ディレクター、Harry Trumpは述べます。

[1] フランス環境エネルギー管理庁(ADEME)によると、P2X(power-to-X)とは、電力を他のエネルギー媒体に変換することを言う。HYFLEXPOWERプロジェクトでは、このXが水素となる。

■ シーメンス ガス&パワーGmbH & Co. KGについて
シーメンス ガス&パワーGmbH & Co. KG は、シーメンスグループの世界的なエネルギー事業会社です。150年以上にわたり、お客様とともに、進化を続ける産業や社会の需要に対応してきました。将来的には株式上場を経て、シーメンスのエネルギー事業はシーメンスエネジーとして独立経営となります。エネルギーバリューチェーン全体にわたる広範な技能を有し、電力会社、独立発電事業者(IPP)、送電システムオペレーター、オイル&ガス産業、その他エネルギー関連産業の顧客に対し、包括的なポートフォリオを提供します。シーメンスエナジーの製品、ソリューション、装置、サービスは、オイル&ガスの抽出、加工、輸送、集中型および分散型の火力発電所における発電と発熱、蓄電やセクターカップリングなどの送電、エネルギー変換技術をカバーします。さらにシーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジーの過半数株式が移譲されることで、シーメンスエナジーの未来志向のポートフォリオはより完全なものになります。シーメンスエナジーは、持続可能な未来を目指す企業、政府、顧客に選ばれるパートナーとして、世界的なエネルギーシステムの脱炭素化を牽引してまいります。世界中でおよそ90,000名の従業員とともに、シーメンスエナジーは今日、そして明日のエネルギーシステムの構築をサポートします。www.siemens.com

■ 日本におけるシーメンスグループ
シーメンスは、1887年に東京・築地に初めてのオフィスを開設して以来、130年にわたり日本のお客様から信頼を寄せられるパートナーとして尽力してまいりました。海外のシーメンス同様、都市化、人口動態、気候変動、グローバル化、そしてデジタル化といったメガトレンドに対して最適なソリューションをご提案しています。シーメンスは先進的な製品やサービス、ソリューションにより、お客様に競争優位性をご提供しつづけるとともに、昨今の環境問題に対応してまいります。2019年9月末に終了した2019年度において、日本のシーメンスの売上高は約1670億円、社員数はおよそ2,360人です詳しい情報はhttp://www.siemens.com/jpにてご覧いただけます。

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