戦略的ビジネスリーダーとして求められる役割やメタデータ、クラウド、人材面などCDOが直面している課題が明らかに
インフォマティカ(本社:米国カリフォルニア州レッドウッドシティ、以下インフォマティカ)は本日、最高データ責任者(CDO)の職務に関する初のグローバル調査「Chief Data Officers: The New Business Leaders(新しいビジネスリーダーとしての最高データ責任者(CDO)とは)」の結果を発表しました。この調査では、CDOの課題や優先事項、重要業績指標(KPI)の他、デジタル経済における職務について質問しており、CDOが組織のパフォーマンスのためにデータインテリジェンスを模索する背景が明らかになりました。また、戦略的ビジネスリーダーとしてビジネスを拡大する上で、現在取り組んでいる優先事項と直面している課題に乖離があることが判明したほか、データリーダーとして成功を収めるには、十分な俊敏性と柔軟性を備える必要があることが示されました。
今回の調査は、インフォマティカがIDCに委託して行われたものです。新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた2020年2月から4月にかけて、オーストラリア、フランス、ドイツ、インド、日本、英国、米国を含む10カ国でCDOの職務に就いている1,200人以上を対象に実施されました。
調査結果のハイライト:
APJにおいてCDOの職務範囲は広がっており、ビジネス目標達成のため、幅広いニーズにあったデータの提供を求められています。
CDOの役割はビジネスリーダーへと変化していますが、CDOが現在取り組んでいる優先事項と直面している課題にはずれが生じています。
CDOがもっとも重要視している優先事項は、AI(27%)とデータ品質(22%)が挙げられました。
APJのCDOから最も多く挙げられた課題はメタデータに関するもの(40%)で、次いでクラウドに関連する課題(25%)でした。
APJでは「人」に関する課題も多く挙げられており、従業員のスキル向上やステークホルダーからの現実と乖離した期待、組織の優先事項との不一致など、ソフト面の課題も多く寄せられました。
<APJの調査結果:CDOの役割>
これまでCDOは、コンプライアンスの順守やデータガバナンスの実行を中心とした職務に限られていましたが、現在では職務の範囲が広がり、ビジネスの目標を達成するため、幅広いニーズにあったデータの提供が求められていることが明らかとなりました。
CDOの41%はビジネスリーダーの直属であり、最も多かったのは組織階層で「CEOの直下」という回答でした。
CDOの65%のKPIが、運用効率、顧客満足度と顧客の成功、データプライバシーとデータ保護、イノベーションと収益、生産性と能力などのビジネス目標に関連しています。
CDOの71%が、幅広い責務や他部署との多様なコラボレーションを必要とされているにもかかわらず、データスチュワード(データ管理/案内人)の数は4人以下と回答しています。
<CDOの優先課題>
CDOとしての役割が拡大し、ビジネスリーダーとしての職務にシフトしていくにつれて、現在取り組んでいる優先事項と直面している課題にずれが生じていることが判明しました。
CDOがもっとも重要視している優先事項としては、AI(27%)とデータ品質(22%)が挙げられた一方で、課題については下記の傾向がみられました。
APJのCDOから最も多く挙げられた課題は、下記のメタデータ(40%)に関するものでした。
データの発見、ドメインの特定、分類
ビジネス用語集と技術メタデータのマッピング
データのリネージ、プロセスフロー、蔓延のマッピング
メタデータに次いで多く挙げられた課題は、クラウドに関連(25%)するものでした。
クラウドデータウェアハウスおよびクラウドデータレイクの導入の一環としての、データインジェスチョン、データ品質、データガバナンス、データプライバシー
アプリケーションのモダナイゼーション(SaaS)の一環としての、マスターデータのマッピング、変換、クレンジング
マルチクラウド環境における稼働中のデータや保存データに対する適切なプライバシー保護
回答者の50%が、以下などの課題が原因で、データは業績を上げるために使用されていないと回答しています。
重要なマスターデータ要素に共通のビジネス定義に関するコラボレーション
データリテラシーとスキルのある労働力の不足
コンプライアンスを維持しながらのセルフサービスによるデータアクセスの実現
APJでは「人」に関する課題も多く挙げられており、従業員のスキル向上やステークホルダーからの現実と乖離した期待、組織の優先事項との不一致など、ソフト面の課題も多く寄せられました。
その結果、APJの企業では利用可能な全てのデータのうち、45%しか活用できていないこと判かりました。なお、グローバルで実施された同じ調査では、50%のデータが活用されているとの結果が出ており、APJと比較してやや高い水準となっています。
<CDOに求められる4つの役割>
本調査では、CDOの職務が1つだけでなく、4つの役割から構成されていることも明らかになりました。データの保護/データ使用、ビジネス機能/企業全体といった2つの軸に基づいて、組織がデータ主導型企業になるために必要なデータリーダーシップの類型をまとめています。
image002.png
ガバナンス重視型:データを管理し、規制へのコンプライアンスを確保するためのフレームワーク、ポリシー、ルール、プロセス、および組織構造の構築に重点を置いています。彼らは、データを発見し、分類し、そのリネージと、ビジネスプロセスやシステムでどのように使用されているかを理解しようとしています。また、データの共通の定義やビジネス用語集を作成するなど、企業全体でデータリテラシーを向上させる方法も模索しています。
運用性重視型:組織の運用をサポートするためのインフラストラクチャ、ツール、テクノロジー、プロセス、およびシステムの構築と展開に重点を置いています。彼らは、データがすぐに利用可能で、運用効率とビジネスの生産性を推進するために使用できるようにすることを目指しています。また、ビジネスプロセスとデータ管理アクティビティを自動化し、コストを削減する方法も模索しています。
アナリティクス推進型:ビジネスパフォーマンスの監視と、ビジネスの成果の変化に役立つ洞察づくりに重点を置いています。彼らは、レポート、予測、計画、分析の速度と精度を向上させて、パフォーマンスの透明性を高め、意思決定を加速して変化する条件に迅速に適応する方法を探しています。彼らはまた、機械学習と人工知能を使用して分析を自動化し、予測性を高める方法を探しています。
デジタルイノベーター型:データとアナリティクスを使用してビジネス価値を生み出すことに重点を置いています。彼らは、現在の顧客からより多くの収入を捻出し、新しい市場への参入や製品、サービス、ビジネスモデルを革新するといった、データを収益化する方法を探しています。また、ビジネスプロセスのデジタル化・自動化により、摩擦のないエクスペリエンスを作成する方法も模索しています。
本調査では、これらの類型は相互に排他的なものではなく、ビジネスの優先事項や需要の変化に合わせて、流動的に全ての要素に対応していることが判りました。
CDOには、正しいデータ活用ツールや機能を理解し、異なるニーズを持った複数のステークホルダーがデータを活用できる、データの民主化を目指したプラットフォームの整備が求められています。また、機械学習やAI、自動化を活用し、データ活用のプロセスを加速化することで、企業のデジタルトランスフォーメーションを推進することが可能になります。
インフォマティカ・ジャパン代表取締役社長の吉田 浩生は、次のように述べています。「インフォマティカでは、2020年よりクラウドベースでAIを活用した高度なデータドリブン経営を推進する『データ 4.0』というビジョンを掲げています。次世代データマネジメントでは、あらゆるデータとつながり、品質を担保し統制が効いた環境下で、誰しもが簡単に活用できるプラットフォームであることが必要不可欠な要素です。当社では、データの力を解き放ち、お客様のデータ主導のDX促進をサポートしていきます。」
インフォマティカについて
インフォマティカは、エンタープライズクラウドデータ管理をリードする唯一の企業であり、データ主導型のデジタルトランスフォーメーションを推進しています。企業のイノベーションを加速し、俊敏性の向上や新たな成長機会の獲得によって、インテリジェントな破壊的イノベーションを支援しています。また、インフォマティカは企業のデータの力を25年以上にわたり引き出し、世界で9,000社以上の企業がそのソリューションを利用しています。
インフォマティカに関する詳細は、インフォマティカ・ジャパン株式会社(代表:03-6403-7600)までお問い合わせいただくか、Webサイトwww.informatica.com/jp/ をご覧ください。
インフォマティカ公式ソーシャルメディア:Twitter, Facebook, ブログ
本リリースは米国インフォマティカ本社が2020年8月19日(現地時間)に発表したプレスリリースの抄訳です。
Informaticaは、米国とその他の国におけるインフォマティカの登録商標です。 その他全ての企業名および製品名は、各社が所有する商号または商標です。
本プレスリリースに記載されている全ての情報は2020年8月19日時点のものに基づいており、インフォマティカは新しい情報や今後発生する出来事に基づいて本プレスリリースに記載した将来の見通しに関する記述を更新したり改訂したりする意図はなく、またその責任を有しません。さらに、説明されている製品または機能の開発、リリース、時期は、インフォマティカが独自に決定するもので、購入の判断基準にはなりません。また、将来、特定の製品や機能を提供することの表明や保証、約束をするものではありません。