–AMDザイリンクスのオートモーティブ向けZynq UltraScale+ MPSoCが、現行のSPAD LiDARシステムで最高レベルの点群密度を実現–
AMD（米国本社：米カルフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO：リサ・スー）は本日、AMDのアダプティブ・コンピューティング・テクノロジーが、大手モビリティサプライヤーである株式会社デンソーの次世代LiDARプラットフォームに採用されたことを発表しました。2025年を目標に開発されているこの新しいプラットフォームは、解像度を20倍以上向上させ（注1）、極めて低いレイテンシーで歩行者、車両、フリースペースなどの検出精度を高めます。AMDザイリンクスのオートモーティブ向けXA Zynq™ UltraScale+™アダプティブSoCと開発ツールの機能安全ツール一式を活用することで、ISO 26262 ASIL-B認証が可能になりました。
デンソーは、AMDのXA Zynq UltraScale+マルチプロセッサー・システムオンチップ（MPSoC）プラットフォームを、単一光子アバランシェ・ダイオード（SPAD）LiDARシステムに採用することで、現在市場にあるLiDARシステムと比較して最高レベルの点群密度を実現しています（注2）。点群密度とは、特定領域内の点の数を表すもので、豊富なデータによって重要な意思決定の詳細をとらえることができる、画像の解像度に似たようなものです。一般的に、SPADベースのシステムは省スペース化が可能なため、さまざまな自動車メーカーに採用されています。適応性の高いXA Zynq UltraScale+ MPSoCにより、デンソーの次世代LiDARシステムでは現行の実装サイズが縮小され、複数のLiDARによって車両の前方とサイドビューの連動が可能になります。1台のデバイスで次世代を含む複数のデンソーLiDARシステムに対応できるため、システムコストを削減し、将来性を見据えた設計が可能となります。
現在生産されている車両には、前方LiDAR 1台のみの搭載となっているかもしれませんが、次世代の車両には前方、後方、サイドビューにLiDARを含む複数のシステムが搭載される想定です。運転支援から完全な自律走行に移行するためには、このような追加のシステムが必要になります。デンソーのLiDARは、インフラ・モニタリング、ファクトリー・オートメーション、その他自動運転以外の用途にも使用可能です。
株式会社デンソーのセンシングシステム事業部長の黒川英一氏は、次のように述べています。「次世代LiDARシステムの導入にあたり、AMDとのパートナーシップを拡大することができ、大変嬉しく思います。AMDの高性能、高スケーラブル、プログラマブルなシリコンは、当社のLiDARセンサー・アーキテクチャーの極めて複雑な画像処理要件に対して明確なメリットを提供します。Zynq UltraScale+ MPSoCプラットフォームの柔軟性と機能、そして厳しい安全要件に対応可能なことから、AMDを採用することになりました。
デンソーのSPAD LiDARは、毎秒10フレームで300万点以上の生成が可能です（注3）。このミドルレンジのLiDARシステムは、温度とシステム全体を正しく機能させるためにXA Zynq UltraScale+ MPSoCのシステムモニター機能を使用して支援しています。また、アナログ／デジタル変換器の代わりに時間／デジタル変換器を使用するため、システム全体のサイズとコストを最適化しながら、高性能かつ高密度のデータを提供することができます。
AMDのシニア・バイスプレジデント兼コアマーケットグループ担当ゼネラル・マネージャーであるマーク・ワドリントンは、次のように述べています。「デンソーは、非常に精密なLiDARシステムを開発しています。LiDARが進化し続ける中で、新しい技術要件が生まれ、感度、密度、性能の向上が求められています。AMDのアダプティブ・コンピューティング・テクノロジーは、システムのサイズとスペースを縮小しながら、解像度を向上させて物体検出の精度を高め、すべてを非常に低いレイテンシーで実現することができます。」
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