~2019年から2023年にかけて、デジタルサービスプロバイダーによるプライベート接続帯域は5倍に増加と予測、エッジにおける企業のデジタルギャップを解消するための需要拡大がけん引~
世界的なデジタルインフラストラクチャ企業であるエクイニクス(Nasdaq:EQIX、日本法人代表取締役社長 小川 久仁子、以下 エクイニクス)はこの度、年次市場調査「グローバル インターコネクション インデックス」(Global Interconnection Index、以下 「GXI」)の本年版、GXI Vol. 4を発表しました。
GXI Vol. 4によると、新型コロナウイルスの世界的流行が今後3年間の企業のデジタルインフラストラクチャ関連施策に大きな影響を与えていることが明らかになりました。また、通信、クラウド及びITサービス、コンテンツ及びデジタルメディア、テクノロジープロバイダーなどのデジタルサービスプロバイダーは、エッジロケーションにおける企業のデジタルギャップ解消需要の高まりを受けて、2023年までにプライベート接続の帯域を5倍に増加すると予測されています。
ガートナーのバイスプレジデントアナリストであるデビッド・カプチョ(David Cappuccio)氏と同社シニアディレクターアナリストであるヘンリケ・チェッキ(Henrique Cecci)氏は次のように述べています。
「相互に接続されたサービス、クラウドプロバイダー、分散型クラウド、エッジサービス、およびSaaSサービスが急増し続けており、従来型データセンターのトポロジにとどまる理由は限定されたものになりつつあります。これは一夜にして起きた変化ではなく、顧客や企業に対してどのようにサービスを提供するかという考え方の進化によるものです。このトレンドは、外部要因によりデータセンターへの物理的アクセスが制限される可能性(緊急隔離など)があるという新しい現実とも相まって、インフラストラクチャの導入計画に新しい視点をもたらしています。」1
また、本レポートでは、プライベート接続による組織間データ転送量の指標であるインターコネクション帯域が、2019年から2023年までに47%の年平均成長率(CAGR)で増加すると予測しています。アジア太平洋地域においては、クラウド及びITサービスがインターコネクション帯域の増加をけん引し、2023年までには1,374 テラビット/秒(Tbps)に達すると予測されています。これは、二番目に高い成長が予測される北米地域の帯域を24%以上も上回ります。ヘルスケア及びライフサイエンス、政府及び教育のセクターでは、遠隔医療やAIなどの取り組みを優先しているため、インターコネクション帯域増加が加速されると予測されています。アジア太平洋地域においては、東京、シンガポール、シドニー、上海、香港がプライベート接続の帯域増加を牽引する都市になると予測されています。
エクイニクスのマーケティング担当シニアバイスプレジデントのクレア・マクランド(Claire Macland)は、次のように述べています。「デジタルリーダーは、適切なデジタルトランスフォーメーションの取り組みを今から計画し実施することで、新型コロナウイルスの世界的流行からの復興に備える必要があります。エクイニクスは、必要なすべての場所、パートナー、ビジネス可能性を集約できるインフラストラクチャを有する企業は、長期にわたるビジネス優位性を獲得できると考えています。」
GXI Vol.4は、インターコネクション帯域の増加を追跡、測定、予測することによりインサイトを提供しています。インターコネクション帯域の定義は、特定の通信事業者に依存しないキャリア中立なコロケーションデータセンター内の分散型IT交換点において、多様なパートナーやプロバイダーとの間でやりとりされる、プライベート(閉域接続)でダイレクトなデータ交換に使われる帯域の総容量です。GXI Vol. 4の主な調査結果は次のとおりです。
業界インサイト
GXI Vol.4では、世界的なマクロ経済トレンドと新型コロナウイルスの流行が、特定の業界セグメントにどのように影響を与えているかについて、以下のようなインサイトを提供しています。
• 大規模な社会的混乱に対応する中で、デジタル化のパターンは変化している
o GXI Vol.4によると、デジタル化のパターンは変化しており、アジア太平洋地域のサービスプロバイダーのセグメントは今後、企業セグメントの約2倍のインターコネクション帯域(2023年までに2,943テラビット/秒(Tbps))を導入すると予測されています。
o このサービスプロバイダーにより新規に導入される帯域は、新型コロナウイルスの世界的流行後の復興に備えて企業が進めるデジタルトランスフォーメーションの大きな支えになると予測されます。
o 本レポートでは、デジタルインフラストラクチャを有する企業は競争上の優位性を拡大し、ビジネス成長を引き続きリードしていくと予測する一方で、デジタルインフラストラクチャを持たない企業は苦戦を強いられて、自社のビジネスモデル変革がサービスプロバイダーに依存する結果になると予測しています。
• 従来型のビジネスはワークロードをエッジファーストのアーキテクチャに移行している
o GXI Vol.4は、銀行及び保険、証券及びトレーディング、製造業、ビジネス及びプロフェッショナルサービスなどの業界セグメントにおける従来型ビジネスが、2023年までにアジア太平洋地域のインターコネクション総帯域の25%以上を占めると予測しています。これは、ITインフラストラクチャを規模拡大しながら、ワークロードをデジタルエッジに移行する必要性が高まっていることによります。2023年までに、これらの従来型ビジネスでは、インターコネクション帯域の増加率が年率50%に達すると予測されています。
o 人工知能(AI)と機械学習(ML)への官民の取り組みにより、2019年から2023年までにインターコネクション帯域は50%のCAGRで増加し、この地域におけるヘルスケア及びライフサイエンス、政府及び教育セクターはインターコネクション帯域の増加率で従来型の企業を上回ると予測されています。
• 組織は「ネットワーク効果」の恩恵を受けている
o 組織は、ユーザー数やプロバイダー数が最も多く、活動が最も集中するロケーションにプレゼンスを構築することで、デジタルの優位性を最大化しています。これは「ネットワーク効果」と呼ばれます。IDCによると、デジタルリーダーの80%は、2025年までにエンドユーザー顧客に対する提供価値を高めて、複数のエコシステムに接続することによる効果を実感するようになると予測しています2。
o リアルタイムエンゲージメントを実現する上で、デジタルエコシステムにおけるアプリケーション交換は不可欠であり、これはビジネスにネットワーク効果をもたらします。GXI Vol.4では、サービスプロバイダーからネットワーク、クラウド及びITサービスプロバイダーに対する接続がエコシステムにおけるインターコネクションの2大ソースとなり、2019年から2023年までに52%のCAGRを達成すると予測しています。
世界各地域におけるインサイト
GXIは、2019年から2023年の間に、世界各地域においてインターコネクション帯域がどのように加速的に増加するかについてのインサイトを提供します。
· 世界全体のインターコネクション帯域は45%のCAGRで増加し、2023年までに16,300テラビット/秒(Tbps)以上に達すると予測されています。この増加はデジタルトランスフォーメーション、特に企業がデジタルインフラストラクチャを中央ロケーションからエッジ上に分散する形で規模拡大する際の大きな需要によるものです。人、モノ、場所、クラウド、データに近接する場所で、戦略的にワークフローを相互接続することで企業はビジネス規模を拡大し、リアルタイムインタラクションを可能にします。本レポートで予測されるインターコネクション帯域増加はこのような背景によるもので、その帯域は64ゼタバイトのデータ交換に相当し、地球上の全人口(78億人)がそれぞれ完全なDNA配列を1時間で送信するのに必要な帯域と同じ量となります。
· 北米は年平均成長率43%で増加すると予測されており、サービスプロバイダーのセクターがその増加をリードし、そのインターコネクション帯域は4倍に増加します。この地域におけるプライベート接続の伸びが最も大きい都市は、シリコンバレー、ワシントンD.C.、シカゴ、そしてニューヨークと予測されています。
· 欧州は年平均成長率45%で増加すると予測されており、この地域では通信事業者、クラウド及びITサービスのセクターの増加が他の産業セクターを上回り、帯域全体の増加の55%に貢献すると見込まれています。フランクフルト、アムステルダム、パリ、ロンドンが、この地域でインターコネクション帯域を拡大する最大の都市になると予測されています。
· ラテンアメリカにおけるインターコネクション帯域は50%のCAGRで増加し、同地域におけるコンテンツ及びデジタルメディアのインターコネクション帯域利用は2019年から2023年までの5年間で62%の年平均成長率で増加すると予測されており、これはすべての地域、すべてセクターの中で高い増加率となっています。この地域におけるインターコネクション帯域の成長率上位都市は、ブエノスアイレス、メキシコシティ、リオデジャネイロ、サンパウロと予測されています。
「グローバル インターコネクション インデックス」に関する業界からのコメント
ベライゾンビジネス グローバルソリューションバイスプレジデント(VP-Global Solutions) デビカ・バッタチャリア(Debika Bhattacharya)氏
「新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、世界的に在宅勤務への移行が急速に進んでおり、お客様は信頼性の高いネットワークソリューションの必要性を再認識しています。デジタルトランスフォーメーションとクラウド接続をどのように優先づけるかは重要です。当社の最優先事項は、お客様が目標を達成し、またリスクを軽減できるように、ビジネスの俊敏性を高める差別化されたソリューションを提供することです。」
関連資料
· Global Interconnection Index Volume 4[レポート]
· GXI V4 Blog [エクイニクスブログ]
· Your Data Center May Not Be Dead, but It’s Morphing [アナリストレポート](英語)
· Total Economic Impact Study (TEI) [アナリストレポート](英語)
· Future of Digital Infrastructure—Ever Faster Delivery of Reliable Digital Services and Experiences [アナリストレポート](英語)
「グローバル インターコネクション インデックス」(GXI)について
エクイニクスが毎年発表している「GXI」は、インターコネクション帯域(さまざまな取引先企業やプロバイダーとの間でトラフィックをプライベートに直接交換するために、分散IT交換点において導入される接続帯域の合計)の増加を追跡、測定、予測することで、デジタルビジネスの推進に有益なインサイトを提供します。「GXI」は、2023年までに見込まれるインターコネクション帯域の増加を予測する、業界で唯一の調査報告書です。キャリア中立なコロケーションデータセンタープロバイダーを利用する世界数千社のエコシステムパートナーの導入プロファイルを分析する上で、このレポートは市場ベンチマークとしての役割を果たしています。このデータは各地域の市場データ(マクロ経済動向、人口動態、産業傾向を含む)と組み合わせて成長の予測に役立つ加重需要乗数を導くことで、デジタルビジネストランスフォーメーションの影響を評価します。詳細な調査方法論は、「グローバル インターコネクション インデックス」をご参照ください。
エクイニクスについて
Equinix(Nasdaq:EQIX) は世界的なデジタルインフラストラクチャ企業として、デジタル変革を志す全ての企業に対し、必要なインフラストラクチャを相互接続することが可能な高信頼のプラットフォームを提供します。エクイニクスにおいて企業のお客様は最適な場所で適切なパートナーとつながり、ビジネスの優位性を加速させ、成功の可能性を最大化することが可能です。エクイニクスはお客様がビジネス規模を拡大し、デジタルサービスを開始・拡張し、エンドユーザーへ最高レベルの顧客体験を提供することを可能にします。これらを通して、エクイニクスはお客様の企業価値向上に貢献します。
将来の見通しに関する記述について
本ニュースリリースには、インターコネクション帯域の成長、デジタルトランスフォーメーションの導入率、「ネットワーク効果」のメリットなど、リスクおよび不確実性を伴う将来の見通しに関する記述が含まれております。こうした将来の見通しに関する記述、および「グローバル インターコネクション インデックス」において言及されている予測と実際にもたらされる結果との間には、大幅な相違が生じる場合があります。そのような相違を生じさせる要因としては、Equinix, Inc.が米国証券取引委員会に適宜提出する資料に記載されているリスクが挙げられます。詳細については、Equinix, Inc.が米国証券取引委員会に提出した直近の四半期報告書および年次報告書をご参照ください(ご要望に応じ、Equinix, Inc.より入手可能です)。エクイニクスは、このニュースリリースに含まれる将来の見通しに関する情報を更新するいかなる義務も負いません。