2021年6月24日

デンソー、シーメンスのソフトウェアポートフォリオを展開し、自動車製品設計のデジタル変革(DX)を推進

  • モデルベース開発の技術基盤として、シーメンスのSimcenterソリューションを採用
  • 自動車産業の100年に一度の大変革期に生き残りをかけ、Tier 0.5システムサプライヤーを目指し、モデルベース開発プロセスとそれを支えるシステム環境をデンソーの国内外の事業に適用開始
  • わずか3年でパイロット展開を実現、2022年春より本格展開を計画

(2021年6月24日 東京発)シーメンス株式会社およびシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア(以下、シーメンス)は本日、株式会社デンソー(以下、デンソー)が、シーメンスのソフトウェアとサービスを、デンソーの次世代のモデルベース開発(Model Based Development 以下MBD)の技術基盤とし採用していることを発表しました。

シーメンスは、デンソーのMBDプロセス開発とそれを支えるシステム開発を同時に支援しています。プロセス開発として、プロセスコンサルティング、設計現場のパイロットプロジェクト、実験結果からリバースでモデル化をする手法確立支援等を提供します。デンソーはSimcenter™シミュレーションおよびテストソフトウェアを使用して、開発プロセスのシステムシミュレーションを推進しています。Simcenterは解析専任者に加え一般設計者の1Dシミュレーションを可能にし、Teamcenter®は1Dモデルデータの国内外の拠点とのスムーズなやり取りを実現します。デンソーはモデルベースのシミュレーションにより、既存課題の解決および実験ベースでは実現できなかった広範囲な設計検討を可能にすること、製品開発時間の短縮、コスト削減、設計品質および競争力向上を期待しています。

「わずか3年間でMBDのパイロット展開を実施できたのは、シーメンスのソフトウェア製品、コンサルティングや技術サービスの品質と専門技能の高さによるものと、感謝しています。これから国内外、全社規模の本格運用に向かいます。事業ドメインを跨いだMBD適用の加速に向け、シーメンスの一層の支援に期待します」と株式会社デンソー 基幹システム推進部MBD推進室長 鈴置 昌樹 は述べています。

自動車産業は100年に一度という大変革期にあります。デンソーは長期基本戦略の中で、車両視点およびサブシステムにて価値追及することを成長と収益力向上の戦略と位置づけています。また、新たな価値を生むための具体的施策として、注力分野に位置づけられている、電動化、先進安全/自動運転の実現を掲げています。これらを実現するための方策として、モデルベース開発を全社規模で早急に展開する取組みが始まりました。欧州での調査を進める中で、多くのOEMで既に採用し実績のあったシーメンスのMBDソリューションに対する展開戦略をシーメンスと直接議論する機会がありました。

デンソーにとってシーメンスは、NX™などソフトウェア開発ソリューションにおいて長年のパートナーであり、製品開発に対する考え方や文化がデンソーにとって有益であると既に認識されていたこともあり、シーメンスをパートナーとして選択しました。

デンソーとシーメンスは、双方で合致した戦略に基づき、共同でソリューションの開発を行っています。デンソーはシーメンスのMBDソリューションを標準機能で利活用すべく、機能開発要求を提示しています。現在、サーマルシステム、パワートレイン、エレクトリフィケーションの主要事業で、部門横断的なパイロット展開を行い、機能要求を抽出しています。これらは、標準機能として機能開発されることで、デンソーのみならず自動車産業をはじめMBDを推進する企業全体への貢献に繋がっています。

これまでの取組みの成果として、モデルをコミュニケーションの媒体として製品開発を進めることで、機能間を横断した広い検討が可能になり設計者間のコミュニケーションが活性化されていることがあげられます。会話の質も向上しており、設計現場は「設計者の成長が早くなった」との声も出ています。デンソーは、人材が育つことで、システム視点でのOEMに向けた積極的な提案や、既存課題を解決に導く議論が可能になると期待しています。今後は、制御領域への展開、車両レベルへのチャレンジを進めていく予定です。また製品全体開発プロセスとのTeamcenterを介したデータ連携も視野に入れています。

「デンソーと、MBD次世代製品開発を協力して推進し、その未来の事業変革実現の一助となれることを光栄に思います。デンソーはじめ世界の主要な自動車企業が、シーメンスに信頼を寄せ、そのデジタル変革(DX)推進に、シーメンスのソフトウェアやサービスを選んでいただいていることに、感謝します。」と、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア プレジデント兼

■ シーメンスAGについて
シーメンスAG(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、170年にわたり、卓越したエンジニアリング、イノベーション、品質と信頼性、そして国際性を象徴するグローバルなテクノロジー企業でありつづけています。ビルや分散型エネルギーシステム向けのインテリジェントなインフラストラクチャー、プロセス産業や製造業向けの自動化、デジタル化の分野を中心に、世界中で事業を展開しています。シーメンスはデジタルと現実世界を結びつけることで、お客様と社会に貢献します。鉄道、道路交通のスマートなモビィティー・ソリューションの主要サプライヤーであるモビリティを通じ、シーメンスは旅客および貨物サービスの世界市場の形成をサポートします。さらに上場会社であるSiemens Healthineersの過半数の株式を保有することで、医療技術やデジタル・ヘルスケア・サービスの世界の大手サプライヤーでもあります。また、送電および発電の世界のリーダー企業であり2020年9月28日に株式上場したシーメンスエナジーの半数未満の株式を保有しています。2020年9月30日に終了した2020年度において、シーメンスグループの売上高は571億ユーロ、純利益は42億ユーロでした。2020年9月30日時点の継続事業における全世界の社員数は29万3000人です。詳しい情報は、http://www.siemens.comにてご覧いただけます。

■ シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、エンジニアリング、製造、電子設計といった技術的分野を結合し、「将来」の目標を今実現するために努力を続けるデジタル・エンタープライズを支援しています。同社のXcelerator製品ポートフォリオは、あらゆる規模の企業がデジタル・ツインを作成および活用することで、イノベーションを推進するための新しい洞察力や機会、そしてさまざまな段階における自動化を促進する支援をします。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの製品およびサービスの詳細については、http://www.sw.siemens.comをご覧いただくか、LinkedIn、Twitter、Facebook、Instagramをフォローしてご確認ください。Siemens Digital Industries Software – Where today meets tomorrow.

■ 日本におけるシーメンスグループ
シーメンスは、1887年に東京・築地に初めてのオフィスを開設して以来、130年にわたり日本のお客様から信頼を寄せられるパートナーとして尽力してまいりました。海外のシーメンス同様、都市化、人口動態、気候変動、グローバル化、そしてデジタル化といったメガトレンドに対して最適なソリューションをご提案しています。シーメンスは先進的な製品やサービス、ソリューションにより、お客様に競争優位性をご提供しつづけるとともに、昨今の環境問題に対応してまいります。2020年9月末に終了した2020年度において、日本のシーメンスの売上高は約1582億円、社員数はおよそ2,300人です。詳しい情報はhttp://www.siemens.com/jpにてご覧いただけます。

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