- 機械、エレクトロニクス、電気、ソフトウェア・エンジニアリングなどの異なる分野を関連付けることで、トレーサビリティと持続可能な製品開発の支援に向けた、システム・エンジニアリングと資産管理の新しい統合ソフトウェア・ソリューションを開発
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア (以下シーメンス) とIBM (NYSE:IBM) は4月18日、両社間の長期的なパートナーシップを拡大し、システム・エンジニアリング、サービス・ライフサイクル管理、資産管理のための各社の製品やサービスを統合したソフトウェア・ソリューションを共同で開発することを発表しました。
競争圧力の高まり、労働市場の逼迫、環境規制目標の拡大に伴い、企業では、製品や資産のライフサイクル全体を網羅する包括的な管理手法を採用する必要性に迫られています。シーメンスとIBMは、製品ライフサイクルの最適化を支援し、プロセス間のトレーサビリティの向上、開発のごく早い段階での試作品作りとテスト、および持続可能性の高い製品設計の採用を容易にする統合ソフトウェア・ソリューションを開発する予定です。この開発の目的は、組織がイノベーションと市場投入を加速させ、最終的に品質の向上とコストの削減を実現できるよう支援することにあります。
SysML v1規格に対応した一連の新しい統合エンジニアリング・ソフトウェアは、機械、エレクトロニクス、電気工学、ソフトウェアの設計と実装を関連付けるデジタル・スレッドを使用することで、トレーサビリティと持続可能な製品開発をサポートするものになる予定です。設計の初期段階や製造から、運用、保守、更新、エンドオブライフ (EoL) 管理まで、製品ライフサイクル全体を網羅することを目指しています。初期段階として、両社はシステム・エンジニアリングのためのIBM Engineering System Design Rhapsodyを、シーメンスの製品ライフサイクル管理 (PLM) 向けのTeamcenter®ソフトウェアや電気/電子 (E/E) システムの開発およびソフトウェア実装のためのCapital™ソフトウェアからなる Siemens Xcelerator製品・サービスポートフォリオのソリューションと関連付ける作業を進めています。また両社は、資産管理用のIBM Maximoアプリケーション・スイートと シーメンスのTeamcenterソフトウェアを関連付けることで、サービス・エンジニアリング、資産管理、サービス実行を関連付ける統合デジタル・スレッドに対応しました。
これらの統合は、持続可能な製品開発に向けたトレーサビリティを実現するために、プロセスや材料の効果的な再利用にフォーカスしたものとなる予定です。これにより企業は、設計およびエンジニアリングのプロセスの早い段階で、十分な情報に基づいた意思決定を行い、コストの削減と、パフォーマンスおよび持続可能性の向上を促進できるようになります。たとえば、過大な電力を消費したり、保守や早期の交換を必要とする性能の低い部品や設計要素を速やかに特定でき、物理資産やソフトウェア資産を製品開発と関連付ける統合デジタル・スレッドにより、製品のイノベーションを推進することが可能です。
IBMソフトウェアのプロダクト・マネジメント・アンド・グロース部門のシニア・バイスプレジデントであるカリーム・ユセフ (Kareem Yusuf) 博士は次のように述べています。「製品のイノベーションと差別化のかなりの部分に、電気、エレクトロニクス、ソフトウェアの部品が関わっています。ですが、これらの部品を管理するための現在のツール、プロセス、情報はサイロ化・分断されており、メーカーは新製品を予定通りに市場に投入できずにいます。このようなギャップを解消すべく、IBMとシーメンスは、設計から、生産、運用、保守、さらにその先に至るまで、製品のライフサイクル全体において持続可能性の取り組みを統合するデジタル・スレッド環境を共同で構築しています。このような接続性によって、イノベーションの加速化、コンプライアンスに向けた準備、さらには全体的な製品品質の向上が可能になります」
またシーメンスとIBMは、次世代のシステム・エンジニアリングに移行するお客様を支援するために、マイグレーションパスを備えたSysML v2ベースのソリューションの開発でも協力しています。SysMLは、広範なシステムやシステムオブシステムズ (SoS) の仕様、分析、設計、検証、妥当性確認に対応します。サービス・ライフサイクル管理は、サービス・エンジニアリングとサービス保守を関連付け、OEMとオペレーターの新しい共同作業を推進することで、製品のサービス化のビジネス価値を最大限引き出すのに役立ちます。
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのプレジデント兼最高経営責任者 (CEO) であるトニー・ヘミルガン (Tony Hemmelgarn) は次のように述べています。「シーメンスとIBMは、運用ライフサイクル全体をカバーするように設計されたシミュレーション主導のシステムとソフトウェア・エンジニアリング・ソリューションを共同で提供してまいります。これによって、製品の運用ライフサイクル全体において、製品開発コストの削減、持続的な改善の推進、全社規模での業務の効率化が促進され、お客様のイノベーションを起こす力を高めることができます。シーメンスとIBMでは、オープンなエコシステムで標準ベースのソリューションを用いてシステムモデルや関連データの拡張性と再利用性を向上させることで、企業がシフトレフトを実現できるようにし、お客様により良い製品を開発していただくために、この開発を進めています」
ŠKODA Groupの最高情報責任者 (CIO) であり、サービス・ライフサイクルと資産管理のための同ソリューションの採用をいち早く決断したカーミル・ムルヴァ (Kamil Mrva) 氏は次のように述べています。「弊社は、持続可能性目標の達成、お客様が利用される製品の総所有コスト (TCO) の削減、およびサービスに重点を置いたビジネス・トランスフォーメーションのサポートに向けて、シーメンスとIBMと緊密に協力しています」
シーメンスは、IBMが新たに提供を開始したPartner Plusプログラムを活用し、Siemens Xceleratorエコシステムの一部として本ソリューションを提供する予定です。
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、Siemens Xceleratorビジネス・プラットフォームのソフトウェア、ハードウェア、サービスを最大限に活用し、あらゆる規模の組織がデジタル・トランスフォーメーションを実現する支援をします。シーメンスのソフトウェアと総合的なデジタルツインにより、企業は設計、エンジニアリング、および製造プロセスを最適化し、現在のアイデアを将来の持続可能な製品に転換できるようなります。チップからシステム全体、そして製品からプロセスに至るまで、あらゆる産業に渡り、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、今日と未来をつなぐ橋渡しをします。
IBMは、グローバルなハイブリッドクラウドとAI、およびコンサルティングのノウハウを提供するリーディングカンパニーです。世界175か国以上のお客様が自社のデータから得られる洞察を活用し、ビジネスプロセスの合理化を進め、コストを削減し、それぞれの業界で競争力を確保できるよう支援しています。IBMの詳しい情報については www.ibm.com をご覧ください 。 IBM Sustainabilityの詳細については、 www.ibm.com/sustainability をご参照ください。
IBMの将来の方向性および意図に関する記述は、目標や目的を提示しているにすぎず、予告なく変更または撤回される場合があります。
シーメンスデジタルインダストリーズ(DI)はオートメーションとデジタル化における革新的なリーダーです。パートナーやお客様と緊密に協力して、プロセス業界とディスクリート(部品組み立て)産業のデジタル・変革を牽引します。DIはデジタルエンタープライズポートフォリオによって、あらゆる規模の企業がバリューチェーン全体にわたって統合とデジタル化を実現するための、包括的な製品、ソリューション、サービスを提供します。各業界固有のニーズに合わせて最適化された、DIのユニークなポートフォリオは、お客様の生産性と柔軟性の向上をサポートします。DIは常にポートフォリオに革新性を追加し続け、未来の先端技術の統合に努めています。DIのグローバル本社の所在地はドイツのニュルンベルクで、世界に約76,000名の従業員を擁しています。
シーメンスAG(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、インダストリー、インフラストラクチャー、交通、ヘルスケアを中核事業とするテクノロジーカンパニーです。資源効率の高い工場、弾力的な供給網、スマートなビルや送電網から、清潔で快適な交通、先進医療に至るまで、目的をもったテクノロジーを開発することで、お客様のために実質的な付加価値を提供します。シーメンスは、デジタルと現実世界を結びつけることで、顧客企業が産業や市場を変革するための力になり、数十億もの人々の日常を変えていく上での支えとなります。またシーメンスは、世界的な大手医療技術プロバイダーとしてヘルスケアの未来を創造する上場企業Siemens Healthineersの過半数の株式を保有しています。さらにシーメンスは、送電および発電分野における世界のリーダー企業シーメンスエナジーの過半数未満の株式を保有しています。2022年9月30日に終了した2022年度において、シーメンスグループの売上高は720億ユーロ、純利益は44億ユーロでした。2022年9月30日時点の継続事業における全世界の社員数は31万1000人です。詳しい情報は、 www.siemens.com にてご覧いただけます。
本文書には当社の将来の事業および財務業績、将来のできごともしくはシーメンスを含めた開発に関する記述が含まれており、これらは将来予測に関する記述に該当する可能性がありますこれらの記述は、「期待する」、「楽しみにする」、「予期する」、「意図する」、「予定する」、「信じる」、「求める」、「見積もる」等の表現によって特定される可能性がありますが、この限りではありません。
注:シーメンス関連の商標リストについてはこちらをご覧ください。その他の商標はそれぞれ各所有者に帰属します。
この資料は2023年4月18日に米国テキサス州プラノより発表されたプレスリリースを翻訳したものです。