多様なIT環境でアプリケーションとデータを管理する単一の統合型プラットフォームに対する企業のニーズが明らかに
日本ではハイブリッド・マルチクラウドが主流となり、ホスティングデータセンターの利用も3倍に増加
Nutanix Inc.(本社:米国カリフォルニア州、プレジデント兼CEO: Rajiv Ramaswami 以下、Nutanix)は本日、企業によるクラウドの採用状況を測定した、第5回目となる「Nutanix Enterprise Cloud Index (ECI) 2022」の調査結果を発表しました。今年のECIでは、ITインフラストラクチャーが多様化する中、データの管理と制御の統合に関する企業の課題が浮き彫りになりました。調査によると、ITチームの過半数は複数のITインフラストラクチャーを活用しており、こうした傾向は今後さらに強まると予想されますが、環境間のデータの可視化に苦労しており、データがどこに存在するかを完全に可視化できると回答したのはわずか40%でした。
Nutanixの製品/ソリューションマーケティング担当シニア・バイスプレジデントであるLee Caswellは、次のように述べています。「今後の数年間では、数億種類ものアプリケーションが開発され、かつてない大量のデータが生成される見通しです。エッジ、異なるクラウド、コアで、現行のアプリケーションとデータを管理するのに各社は悪戦苦闘しています。今年のECIの調査結果とお客様から寄せられたご意見から分かる通り、ハイブリッド・マルチクラウドの構築、運用、使用、ガバナンスを支援し、現在および将来的な計画にも対応しつつ、あらゆる種類のアプリケーションをサポートするクラウド運用モデルには、市場のニーズが存在します。」
過去5年間のECIの実施結果を見ると、回答者の意識は複数のIT環境の使用へと著しく変化しています。2018年には回答者の半数以上が、プライベートクラウドとパブリッククラウドのいずれかのみを使用し、すべてのワークロードを実行する日が将来的に訪れることを想定していました。つまり2018年当時には、特定のインフラストラクチャーやIT運用モデルへの統合化の取り組みが理想的と考えられていましたが、現在ではパブリッククラウド、オンプレミス、エッジでワークロードを実行することは必然であり、むしろメリットであると考える企業が大半です。
エッジからコアまでのIT環境を管理する場合などでは、こうしたハイブリッド運用モデルの効率化は、現在の企業の目標となっています。クラウドの導入環境の多様化が進む中、複数のクラウド環境でアプリケーションのデータを管理する作業には、膨大な複雑性が伴います。そのため、単一コンソールによる統合的な形でアプリケーションとデータのプロビジョニング、移動、管理、監視、セキュリティ保護を実現する包括的なツールの存在は、IT部門の間でさらなる優先事項となっています。多様な環境でアプリケーションとデータを管理する単一の統合型コントロールプレーンの存在には、ほぼすべての回答者がメリットを見出しています。
主な調査結果は、以下の通りです。
グローバル
- 大半の企業が複数タイプのITインフラストラクチャーを使用する中、これらを包括的に管理する単一のプラットフォームが理想的な存在であることには、ほぼすべての回答者が同意しています。ITチームの過半数(60%)は、プライベートクラウドとパブリッククラウドの混合環境、複数のパブリッククラウド、オンプレミスデータセンターとホスト型データセンターなど、複数のITインフラストラクチャーを活用しています。近い将来、この割合は約4分の3(74%)まで拡大する見通しです。しかし、こうした状況にはさまざまな課題が伴い、回答者の94%は、多様な環境でアプリケーションとデータを管理する単一の統合型環境にメリットを見出しています。
- データのセキュリティと管理上の懸念により、ITインフラストラクチャーの選択肢は拡大しています。データは、企業のインフラストラクチャーの意思決定を左右する存在であり、データのセキュリティ、保護/リカバリ、主権は重要な推進要因の上位に挙げられています。しかし、可視性はますます大きな課題となっています。回答者の94%は完全な可視性が重要であることに同意しているものの、ECIの回答者のうち、自社のデータの保存場所に対して完全な可視性を報告している割合は、40%に留まりました。
- クラウドのコスト管理は、IT管理の最大の課題に位置づけられています。回答者の85%は、クラウドコストをIT管理の困難な問題と考えており、3分の1以上(34%)は「重大な」課題と位置づけています。特に、クラウド間のアプリケーションの移行は現在、企業の弱点となっており、回答者の86%は、複数の環境間のアプリケーションの移行は、複雑かつ高コストになる可能性があると考えています。さらに、回答者の約半数(46%)は、クラウドコストの軽減に向けて、一部のアプリケーションを1年以内にオンプレミスデータセンターに移管する計画です。
- ほぼすべての回答者(96%)は、オープンソースKubernetesオーケストレーションの使用を開始しています。しかし、基本のインフラストラクチャー、ストレージ、データベースサービスの設計・構成は、Kubernetesの導入に際して各社が直面し続ける最大の課題の1つです。
- 持続可能性はITの優先事項になっています。ほとんどの回答者(92%)は、自社にとっての持続可能性の問題が1年前よりも重要になっていると回答しています。このような優先事項の変化の主な要因には、企業の環境、社会、ガバナンス(ESG)イニシアチブ(63%)、サプライチェーンの混乱(59%)、顧客企業の購買決定(48%)が挙げられます。
日本
- 日本企業による複数のIT環境の混在利用は世界平均をやや下回る:56%の日本企業がプライベートクラウドとパブリッククラウドの混在、複数のパブリッククラウド、オンプレミスとホストティングデータセンターの組み合わせなど、複数のIT環境を混在利用していると回答していますが、世界平均の59%をわずかに下回る結果となりました。
- データ主権(ソブリン)と規制遵守が日本企業のIT インフラ投資決定時の考慮事項:日本の回答者はデータ主権(16%)と規制遵守(16%)を最も多く挙げた一方、グローバルではサイバーセキュリティ(13%)を最も重要な検討事項と回答しました。
- 91%の日本企業が多様なワークロードとデータを管理する単一のプラットフォームが理想的と回答: IT環境の混在利用が新たな課題を生み出しており、日本の回答者はデータ分析とオーケストレーション(64%)、ストレージのコスト(47%)を主要な課題と述べています。
- すべての日本企業が、過去1年間にインフラ間でアプリケーションを移動させており、その理由として、アプリケーションのより良い管理(44%)、管理のアウトソーシング(42%)を挙げています。
- 85%の日本企業は、クラウドコストコントロールをITインフラにおける課題と認識:企業データの価値と量が急増するにつれ、データ管理、セキュリティ、保護、バックアップ/リカバリも重要視されています。データは現代のビジネス資産であり、事業運営、分析、収益化を継続するために、常に最新かつ安全で、すぐに利用可能である必要があります。インフラの総所有コスト(TCO)には多くの要素や考慮事項があります。
第5回目となる今回の調査は、NutanixがVanson Bourneに委託し、2022年12月〜2023年1月に、世界各国のIT部門の意思決定者1,450名を対象に行ったものです。回答者の属性は多岐にわたり、南北アメリカ、欧州・中東・アフリカ(EMEA)および日本を含めたアジア太平洋(APJ)地域からさまざまな業界・規模の企業が対象となりました。
「Nutanix Enterprise Cloud Index 2022」と調査結果についての詳細は、こちらをご覧ください。
(以上)
Nutanix Inc.について
Nutanixは、クラウドソフトウェアのグローバルリーダーであり、クラウド間でアプリケーションやデータを運用するための単一プラットフォームを企業に提供しています。Nutanixの活用により、企業は複雑さの軽減と運用の簡素化を実現し、ビジネスの成果に集中することが可能になります。Nutanixはハイパーコンバージドインフラストラクチャーのパイオニアとしての実績をもとに、一貫したシンプルかつコスト効率の高いハイブリッド・マルチクラウド環境の構築を支援し、世界中の企業から高い信頼を獲得しています。詳細については、www.nutanix.com/jp をご覧ください。Twitterは@NutanixJapanより、フォローしてください。