~1,700クライアントが快適にアクセスできるオール無線LAN環境を構築しモバイルファースト、IoTにも対応~
Aruba, a Hewlett Packard Enterprise company(NYSE: HPE、米国カリフォルニア州サンタクララ、以下「HPE Aruba」)は、本日、アステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長CEO 畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)が、同社新薬開発の中核拠点であるつくば研究センターに、HPE Arubaの各種高速無線LANソリューションを導入しオール無線LAN化するとともに、モバイルファースト、IoTにも対応する高速かつ柔軟なネットワークを構築したと発表しました。現在同研究センターでは、Active-Active 冗長化による40GbE化、IEEE802.11ac Wave2による高速無線LAN環境、アクセスポイント(以下AP)約330台の集中管理と接続の最適化、接続デバイスの状態やパフォーマンス可視化が図られ、約1,700クライアントが快適にアクセスできる環境が整備され、本年1月より運用が開始されています。高速で安定的なバックボーンを整備したことで、新薬開発に必要な膨大なデータや、マルチキャスト動画配信にも快適に対応、各種検査機器や装置と接続してIoTデータの収集等にも活用されています。さらに、SDN Readyのオープンなネットワーク基盤により将来の変化にも柔軟かつ迅速に適応できます。本プロジェクトを、設計、構築から全面的に支援したのは、SCSK株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役 社長執行役員 谷原 徹)です。
導入の背景
アステラス製薬は、「明日は変えられる」を企業スローガンに、医療用医薬品と新薬の開発・製造に特化したグローバル製薬メーカーです。現在の治療法や薬剤では満たされないアンメットメディカルニーズの高い疾患領域に注力し、特に泌尿器疾患や移植の疾患領域でも世界的に高い競争力を有する同社が新薬研究開発の中核拠点と位置づけるのが「つくば研究センター」です。191,000㎡を超える広大な敷地に15の研究棟を擁し、146,800㎡に及ぶオフィススペースで、およそ1,200名が研究開発に取り組んでいます。 創薬のプロセスである探索、最適化、開発の機能を統合するとともに、抗体医薬や再生医療、トランスレーショナルサイエンス分野にも注力するなど広範なR&Dが行われる同センターでは、2008年に構築したネットワーク環境のトラフィック増大に直面していました。
ネットワークには、1,700を超えるクライアントデバイスが接続され、高精細なレントゲン画像によるガン細胞転移の解析、膨大なパターンの化合物の組み合わせの試行をはじめ、大量の実験データや画像・動画が日々ネットワークを行き交います。また、PCに加えスマートフォンやタブレットPCの活用が進んできたこと、ネットワークに接続される実験機器・装置が増加したこと等も帯域不足を増長させていました。
トラフィックの急増には、研究棟単位でスイッチを入れ替えるなどの方法で対処してきましたが、抜本的な「バックボーン高速化」が不可欠でした。また、実験装置はVLANで切り分けた専用のネットワークに接続されていますが、そこで得たデータを他の部門で共有するようなリクエストに、その都度手作業での対応が必要だったため、より「接続の容易性」を備えたシステムが強く望まれました。
こうして、同社競争力の源泉である新薬の研究開発を高速、安全、快適に支え、企業ポリシーである次期刷新までの今後6年間のトラフィック増や様々な環境変化にも柔軟かつ充分に対応することのできる発展的ソリューションとして採用されたのが、HPE Arubaの各種高速無線LANソリューションです。研究者をはじめとする多数のユーザーが複数の研究棟を行き来する同研究センターの円滑な業務遂行を支え、快適なユーザーエクスペリエンスを提供する多彩な機能が付加されています。
刷新ネットワークの機能と構成
①バックボーンの帯域と耐障害性を強化~スタッキングによるActive-Active冗長化~
コアスイッチ/主要棟のメインスイッチに「VSF仮想化テクノロジー(注)」を採用してActive-Active構成とし、リンクアグリゲーション(LACP)により40GbE の帯域を確保
(注)VSF(Virtual Switch Framework): Active-Active冗長化により広帯域と高可用性を同時に実現し、機器に障害が発生した場合でも、50ミリ秒以内での通信経路切り替えが可能。データセンターからキャンパスまで、様々な環境で実効性が証明されたネットワーク仮想化テクノロジー
②クライアント環境~有線を廃しオール無線LAN化を目指す~
40GbEに高速化されたバックボーンを活用し、“オール無線LAN化”を目指す。
HPE Aruba AP-325アクセスポイントを約330台採用、最大約7Gbpsの高速通信が可能なIEEE 802.11ac Wave2に対応し、同センター全域を網羅する高速無線LAN環境を構築 ・複数ユーザーに同時送信できるMU-MIMOを実装
・複数の周波数を束ねるチャネルボンディングの帯域幅が広く、Dynamic Multicast Optimization(DMO)を利用したマルチキャストでの配信動画視聴も快適 ・HPE Aruba 7210モビリティコントローラーによりアクセスポイントの集中管理とユーザーアクセスを最適化
・チャネルと出力調整を自動的に最適化するARM(Adaptive Radio Management)
・機能トラフィック混雑時に動的な負荷分散を行い安定的なパフォーマンスを発揮させる、エアタイムフェアネス機能
・クライアント接続とローミングをアクセスポイント側で最適制御するClientMatch®
・SSIDごとに認証を分け、かつロールベースにファイアウォール機能、帯域制限機能等を使用した柔軟なネットワークを構築
・ネットワークサービスの状態監視を行うHPE Aruba AirWave™
・ヒートマップで無線LANの有効範囲や干渉状況を可視化。現地サーベイ時に、電波が弱い場所へのAP増設や、周囲に電波を広げたくない場所では出力調整など、きめ細かい配置計画をサポート ・機器の状態監視だけでなく、ユーザーの視点で「遅かった、接続できなかった」という体験履歴からアクセス不調の原因を特定し、中長期的な改善計画に反映できる
③SDN(Software Defined Networking)の標準化を見極めた時点で速やかに移行可能に
導入の効果と今後の展開
導入の効果について、アステラス製薬株式会社 情報システム部 ITインフラグループ課長 矢ヶ部 泰法氏は次のように述べています。
「HPE Aruba高速無線LANソリューションの導入で、研究棟を行き来するユーザーのネットワークアクセスはより自由に快適になりました。 コミュニケーションを円滑にし、ユーザーをデスクから解放してコラボレーションを促進しています。有線LANでケーブルを引き回していては、とてもこのスピード感は実現できません。また、従来は実験装置を導入するたびに有線LANの工事が必要でしたが、無線化によってこれも解消されます」 「モバイルファーストを具現化し、新薬開発の最前線を変革するネットワーク環境が整備できました。また、いつでもSDN(Software Defined Networking)に移行できる環境も整い、今後6年間の研究開発を支えるインフラとしての要件をすべて満たすことができました。SCSKの優れた技術とノウハウ、HPE Arubaネットワーク製品は、私たちのビジネスの競争力向上に寄与してくれるでしょう」
アステラス製薬では、つくば研究センターで実証されたネットワークと同等の環境を、2020年までに他の拠点に展開していく計画です。
<関連資料>
*本件に関する導入事例ホワイトペーパーは、以下よりご参照下さい
h50146.www5.hpe.com/products/networking/case_studies/astellas/pdfs/CNT13583-01.pdf
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