Autodesk と欧エアバス 、ジェネレーティブ デザインがものづくりと建築にもたらすインパクトを実証
航空機製造大手のエアバスは、ラスベガスのサンズ・コンベンション・センターで 2019 年 11 月 19 日(火)〜 21日(木)に開催された「Autodesk University」において、ジェネレーティブ デザインを活用していかにエンジニアリング、アーキテクチャ、ならびにシステム分野での複雑な課題に対処しているのかに関して詳細を明らかにしました。これにより、エアバスはよりスマートで、効率的で、経済性の高いビジネスが可能となると共に、従業員のニーズへのより優れた対応や、環境への悪影響も抑えることができます。
エアバスは、オートデスクのジェネレーティブ デザインを採用することで、性能および安全性の基準を上回る、より軽量の航空機用コンポーネントを開発しています。同社は、このアプローチを採用することで、軽量化を実現し、燃料消費量の低減を可能にすることで、航空機による移動が環境にもたらす悪影響を抑えることができます。エアバスはさらに、航空機用部品製造するための工程と空間の改善にも着手しています。
また、従業員の労働条件の改善と生産性の向上を容易に達成できるように合理化された物流を実現する、適応性の高い DGNB および LEED 認定工場のレイアウト構築のために、ジェネレーティブ デザインの採用を検討しています。
バイオニック パーティション 2.0
2015年に、エアバスは「バイオニック パーティション(航空機の客室とギャレーとを仕切る壁と折り畳み式補助椅子(ジャンプシート)の次世代の支持構造)」の開発において、ジェネレーティブ デザインの概念実証を初めて行いました。とは、エアバスはこの新しい設計アプローチを A320 の航空機の在庫において展開すれば、年間 50 万メートルトン近くに及ぶ CO2 の排出量を削減できると予測しています。
エアバスは、さらにジェネレーティブ デザインを活用して、バイオニック パーティション 2.0開発に着手しています。これは、プラスティック製のパーティション用の 3D プリンタで作成された型を作成し、すでに航空機への応用性が実証されている合金で部品を鋳造することができるため、従来品と同程度の強度と軽量性および低価格化実現しています。
エアバスは、またジェネレーティブ デザインを活用して、 A320 の垂直尾翼(VTP)の前縁を含む、他の構造的な航空機用コンポーネントの見直しを図っています。航空機の VTP (または垂直安定板)は、方向安定性をもたらし、左右方向の動きに起因する空気力学的な非効率性を低減することを目的としています。
未来を作る工場
エアバスは自社工場の建築設計、レイアウト、およびワークフローにジェネレーティブ デザイン活用を検討しています。
エアバスではまず、色んな工具が必要とされる A350 の翼の組立ラインにおける様々な世代の A350 の多様な翼に合わせて工具の場所と移動経路を最適に配置し、混雑や障害を最小限に抑えて工場の構成をいかに行うことができるのかを解明し、新たな組立工場などの建設を予定する際にジェネレーティブ デザインの採用を検討しています。これにより、同社は、物流をより効率化し、より充実した労働力を擁してエンジンの組立をより迅速に行うことが可能になります。
【関連ビデオ】
damassets.autodesk.net/content/dam/autodesk/draftr/8848/Video1.mp4
ジェネレーティブ デザインは、エアバスが現在考えている 2 つの方針をもたらしました。それらは、型破りな占有面積を持つより大きな建物または、より小さな矩形の占有面積に収まるように最適化された工場の実現をもたらしました。