2020年3月11日

シーメンスがフォルクスワーゲンの電気自動車生産デジタル化を支援

  • シーメンスのオートメーション・テクノロジーでつくられたフォルクスワーゲン最初の新世代  電気自動車
  • フォルクスワーゲンと共に、シーメンスは次世代のフォルクスワーゲン電気自動車の標準を 開発中
  • フォルクスワーゲンは、生産ラインの自動化をボディ・ショップ工程で89%に、最終アセンブリ工程では28%に高める目標を設定

(2020年3月4日 独ニュルンベルク発)
シーメンスは、フォルクスワーゲンのツヴィッカウ工場で電気自動車の生産設備を提供しています。当社は既に、2つの生産ラインに製品とシステムを供給しており、汎用的に様々なモデルを大量生産するための自動化標準の開発を支援しました。「生産プロセスの自動化の割合を高めると同時に、複雑さを軽減することを目指しています。そこで、長年のパートナーであり産業オートメーションとデジタル化のリーディング・カンパニーのひとつであるシーメンスと協業することを選択しました。何故なら、シーメンスにはこの分野で不可欠なアプリケーションの専門知識・技能があるからです。」とフォルクスワーゲンAG社のファクトリー・オートメーション/デジタル・プロダクション ヘッドであるThomas Zembok氏は述べました。

フォルクスワーゲン・ブランドは、2025年までに年間150万台の電気自動車を生産する予定です。これだけの大量生産を実現するために、ツヴィッカウ工場は2020年末までに大規模なデジタル化と完全なe-モビリティ化を遂行します。電気自動車はMEBプラットフォーム(モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス)をベースにバッテリーと2つの車軸で構成され、設計に応じてその一方または両方が電気で駆動される仕組みです。MEBプラットフォーム モデルの生産工場は、第6世代のVASS(Volkswagen Audi Seat Skoda)規格に基づいています。VASS規格には、ハードウエア、ソフトウエアと可視化のための自動化ソリューション、またアプリケーションのトレーニングとスキルアップの資料が含まれています。「VASS規格に則って、安定した生産のためにビルディングブロックシステムを提供して、同一ラインでの複数の異なるモデルの大量生産を容易にします。同時に、生産プロセスの更なるデジタル化のために一貫した基盤をつくっています。」とフォルクスワーゲンのThomas Zembok氏は説明しています。

最初となるボディ・ショップと最終アセンブリの2つのラインは、既に実装されており、量産が開始されています。2番目のラインは、現在、構築中で2020年秋に運用を開始する予定です。シーメンスの テクノロジーが両方のラインに活用されており、TIA(Totally Integrated Automaton)ポータル、Simaticコントローラー、HMI(Human Machine Interface)パネルと産業用PCも含まれます。これは、自動化が最終アセンブリで17から28パーセントに、ボディ・ショップでは85から89パーセントに増加している主な要因のひとつです。バリューチェーンの更なる段階へのシームレスな統合も、例えば、自動搬送車(AGV)の活用によって物流分野で進んでいます。2021年から3つの グループ・ブランドの内、MEBプラットフォームを採用した6モデルがツヴィッカウ工場で生産される予定です。11月以降、このラインで生産されている新世代電気自動車の最初のモデルがID.3です。

シーメンス デジタルインダストリーズ オートモーティブソリューション担当シニアバイスプレジデント、ベルント・マングラーは以下の様に説明しています、「VASS規格の大きな利点は、フォルクスワーゲンがツヴィッカウ以外の工場でも、その工場の生産計画に従って、規模を調整できることです。新たなVASS規格は、生産の更なるデジタル化を推進するフォルクスワーゲンにとって重要なステップと言えます。ラインの生産力と効率を向上させるという究極の目標を達成する上で、生産マシーンの動作パラメータを一律に制御する能力やマシーン間のシームレスな通信など、多くの利点があります。」

■ シーメンスAGについて
シーメンスAG(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、170年にわたり、卓越したエンジニアリング、イノベーション、品質と信頼性、そして国際性を象徴するグローバルなテクノロジー企業でありつづけています。発電および送電、ビルや分散型エネルギーシステム向けのインテリジェントなインフラストラクチャー、プロセス産業や製造業向けの自動化、デジタル化の分野を中心に、世界中で事業を展開しています。鉄道、道路交通のスマートなモビィティー・ソリューションの主要サプライヤーである、個別管理会社のシーメンスモビリティを通じ、旅客および貨物サービスの世界市場を形成しています。さらに上場会社であるSiemens Healthineers AGとシーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジーの株式の過半数を保有することで、医療技術やデジタル・ヘルスケア・サービス、環境に優しい陸上、洋上風力発電ソリューションの世界の大手サプライヤーでもあります。2019年9月末時点の全世界の社員数は38万5000人です。詳しい情報は、http://www.siemens.comにてご覧いただけます。

■ 日本におけるシーメンスグループ
シーメンスは、1887年に東京・築地に初めてのオフィスを開設して以来、130年にわたり日本のお客様から信頼を寄せられるパートナーとして尽力してまいりました。海外のシーメンス同様、都市化、人口動態、気候変動、グローバル化、そしてデジタル化といったメガトレンドに対して最適なソリューションをご提案しています。シーメンスは先進的な製品やサービス、ソリューションにより、お客様に競争優位性をご提供しつづけるとともに、昨今の環境問題に対応してまいります。2019年9月末に終了した2019年度において、日本のシーメンスの売上高は約1670億円、社員数はおよそ2,360人です詳しい情報はhttp://www.siemens.com/jpにてご覧いただけます。

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