2020年12月22日

シーメンス、Culgi社の買収によりXcelerator製品ポートフォリオにマルチスケールの化学モデリングを追加

  • Simcenter製品ポートフォリオの一部として、業界初のソフトマター向け統合マルチスケール・ソリューションを提供
  • ディスクリート製造とプロセス製造の両方の業界で、性能重視の先端材料の最適化を実現するCulgiのテクノロジーを追加

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア(以下シーメンス)は本日、加工業におけるマルチスケール・シミュレーションに焦点をあてた化学計算ソフトウェアを提供するCulgi社との買収契約を締結したことを発表しました。Culgiはシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアに加わり、同社のソリューションの量子化学および分子化学モデルをSimcenter™ STAR-CCM+™ ソフトウェアとシームレスに連結して、Xcelerator™製品ポートフォリオのシミュレーション機能を拡張します。この独自のエンジニアリング・ワークフローは、材料・加工業界において大幅なコスト削減とイノベーションの加速を実現し、製品やプロセスの変革の可能性を高めます。

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのシミュレーションおよびテストソリューション担当シニア・バイス・プレジデント、ヤン・ルリダン(Jan Leuridan)は次のように述べています。「ソフトマテリアル工学におけるイノベーションは、量子や分子のレベルから始まります。CulgiのテクノロジーをSimcenter製品ポートフォリオに取り込むことで、プロセス・エンジニアはマイクロ・スケール、メゾスケール、マクロ・スケールのモデリングを融合させた総合的なデジタル・ツインにアクセスできるようになります。緊密に統合されたこのワークフローによって、製品の性能目標に照らし合わせて先端素材の設計を検討できるようになります。Culgiチームの加入は大歓迎です。」

Culgiの買収の土台となっているのが2019年11月のMultiMechanicsの買収です。この買収によってSimcenter™製品ポートフォリオに固体材料の特性や挙動の効率的な予測が追加されました。Culgiのソフト・マテリアル・シミュレーションを加えることで、Simcenterは性能に重点を置いて先端材料を最適化する独自の統合CAEソリューションを提供できるようになりました。

オランダ・ライデン大学の教授でCulgiの最高経営責任者(CEO)であるヨハネス・フライ(Johannes Fraaije)氏は次のように述べています。「シーメンスに加わり、シミュレーション・ソフトウェアの将来を築く力になれることを非常に嬉しく思います。開発の初期段階で新規材料のバーチャル・スクリーニングを行うことは、化学産業のデジタライゼーションを実現するための重要な要素になります。Simcenterの製品ポートフォリオにCulgiの分子シミュレーション・ソフトウェアやサービスを統合することで、エンジニアは開発開始からプロセス開発、物流や市場分析に至るまでのバリューチェーン全体で理想的な特性を持った素材を効率的かつ効果的に設計できるようになります。

1999年にオランダ・ライデンで設立されたCulgiは、量子化学から分子動力学まで、マルチスケールの化学シミュレーションの専門知識とソフトウェア・ソリューションを提供しています。同社製品は、特殊化学品や電池、医薬品、化粧品などの分野における新素材の設計や分析に活用されています。この買収は2020年中に完了する見通しです。買収条件は公表されていません。

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、エンジニアリング、製造、電子設計といった技術的分野を結合し、「将来」の目標を今実現するために努力を続けるデジタル・エンタープライズ企業を支援しています。同社のXcelerator製品ポートフォリオは、あらゆる規模の企業がデジタル・ツインを作成し活用することで、イノベーションを推進するための新しい洞察力や機会、そしてさまざまな段階における自動化を促進する支援をします。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの製品およびサービスの詳細については、http://www.sw.siemens.comをご覧ください。

シーメンスデジタルインダストリーズ(DI)はオートメーションとデジタル化における革新的なリーダーです。パートナーやお客様と緊密に協力して、プロセス業界とディスクリート(部品組み立て)産業のデジタル・変革を牽引します。DIはデジタルエンタープライズポートフォリオによって、あらゆる規模の企業がバリューチェーン全体にわたって統合とデジタル化を実現するための、包括的な製品、ソリューション、サービスを提供します。各業界固有のニーズに合わせて最適化された、DIのユニークなポートフォリオは、お客様の生産性と柔軟性の向上をサポートします。DIは常にポートフォリオに革新性を追加し続け、未来の先端技術の統合に努めています。DIのグローバル本社の所在地はドイツのニュルンベルクで、世界に約76,000名の従業員を擁しています。

シーメンスAG(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、170年にわたり、卓越したエンジニアリング、イノベーション、品質と信頼性、そして国際性を象徴するグローバルなテクノロジー企業でありつづけています。ビルや分散型エネルギーシステム向けのインテリジェントなインフラストラクチャー、プロセス産業や製造業向けの自動化、デジタル化の分野を中心に、世界中で事業を展開しています。シーメンスはデジタルと現実世界を結びつけることで、お客様と社会に貢献します。鉄道、道路交通のスマートなモビィティー・ソリューションの主要サプライヤーであるモビリティを通じ、シーメンスは旅客および貨物サービスの世界市場の形成をサポートします。さらに上場会社であるSiemens Healthineersの過半数の株式を保有することで、医療技術やデジタル・ヘルスケア・サービスの世界の大手サプライヤーでもあります。また、送電および発電の世界のリーダー企業であり2020年9月28日に株式上場したシーメンスエナジーの過半数未満の株式を保有しています。2019年9月30日に終了した2019年度において、シーメンスグループの売上高は585億ユーロ、純利益は56億ユーロでした。2019年9月30日時点の継続事業における全世界の社員数は29万5000人です。詳しい情報は、http://www.siemens.comにてご覧いただけます。

注:シーメンス関連の商標リストについてはこちらをご覧ください。その他の商標はそれぞれ各所有者に帰属します。

この資料は2020年11月2日に米国テキサス州プラノより発表されたプレスリリースを翻訳したものです。

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