2021年10月14日

シーメンス、アナログ、デジタルおよびミックスドシグナルIC設計向けパワーインテグリティソリューション、mPowerを発表

  • シーメンスは、あらゆる規模のアナログ、デジタルおよびミックスドシグナルIC設計向けパワーインテグリティ解析を提供するEDA業界唯一のソリューションで成長著しいICパワー解析市場に参入
  • mPowerにより、品質の飛躍的向上、信頼性の強化、市場投入までの時間の短縮の面でIC設計者を支援、パワーインテグリティ解析サイクルを加速

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア(以下シーメンス)は本日、アナログ、デジタルおよびミックスドシグナルIC設計向けの新しいパワーインテグリティソフトウェア、mPower™を発表しました。この度販売開始される新しいソフトウェアは、アナログ、デジタルおよびミックスドシグナルICに実質的に無制限のスケーラビリティを提供する、業界初かつ唯一のICパワーインテグリティ検証ソリューションであり、最大規模のIC設計においても、パワー、エレクトロマイグレーション(EM)や電圧降下(IR)の包括的な解析を可能にします。

mPowerは、あらゆる規模の2.5D/3D IC実装に加えて、すべての2D設計規模のパワーインテグリティ解析を可能にし、既存の設計フローにも容易に統合することができます。mPowerを利用することで、IC設計者は、パワー関連の設計目標が満たされていることをより迅速かつ詳細に確認することができ、IC分野のお客様が品質の飛躍的な向上、信頼性の強化、市場投入までの時間の短縮に大きく貢献します。

類を見ないアナログ機能とワールドクラスのデジタルパフォーマンス
アナログICは、音や動き、映像などの物理的な「現実世界」のデータをデジタル形式に変換するもので、民生用電子機器、自動運転、IoT(Internet of Things)、その他の成長著しい大規模市場全般に幅広く、さまざまなアプリケーションで活用されており、その重要性が注目されています。

mPowerを利用することで、アナログICの設計者は、選択されたットワークのおおまかな静的解析やSPICEシミュレーションを、最大規模のブロックやチップを対象とした高精度なシミュレーションベースのEM/IR解析を実現する、革新的でダイナミックなソリューションに置き換えることができます。mPowerを実際に利用したお客様は、実行時間の全体的な改善を実感しており、従来のソリューションと比較し2倍速くなっただけでなく、これまで不可能であった大規模アナログIPブロックを対象としたEM/IR解析のファーストパスを実際に完了したなど、多くの賞賛が届いています。

MaxLinear社のSoC設計およびテクノロジー担当バイスプレジデントであるパオロ・ミロッツィ(Dr.Paolo Miliozzi)氏は次のように述べています。「シーメンスのmPowerは、これまでできなかったことを可能にしてくれます。今までは、大規模アナログ回路のテープアウト時に自信を持ってEM/IRを評価することができませんでした。」

類を見ないアナログ機能以外にも、シーメンスの新しいデジタルmPowerスケーラブルEM/IRエンジンは、オールデジタルIC設計の「妥協のない」解析を提供します。デジタルソリューションは、既存の設計フローに簡単に統合してワールドクラスのパワー解析機能を提供できます。また、マシンあたりのメモリ使用量も少なく、最大規模のデジタル設計であっても、設計者は完全な検証を行うことができます。

AIコンピューティングソリューションの大手開発企業であるEsperanto社のVLSI担当バイスプレジデントであるダレン・ジョーンズ(Darren Jones)氏は次のように述べています。「mPowerを利用するまでは、1,000コア以上の64ビットRISC-V AIチップでシングルランのフルチップEM/IR解析を行うことができませんでした。mPowerを利用することで、当社のサーバーファーム上にある240億トランジスタの7nm AIチップの検証を、より少ないリソースで、これまで考えられなかった実行時間で完了できるようになりました。」

mPowerパワーインテグリティソリューションが加わることで、シーメンスのパワー、パフォーマンス、信頼性解析に対応する物理的サインオフスイートは完全なものになりました。このスイートには、Calibre® PERCソフトウェア、PowerPro™ソフトウェア、HyperLynx™ソフトウェア、Analog FastSPICEプラットフォームなどが含まれます。この総合的なサインオフスイートは、設計者にオールシーメンスのパワーインテグリティ設計フローを提供します。

シーメンスのIC EDA部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるジョー・サウィッキ(Joe Sawicki)は次のように述べています。「パワーグリッドがデバイスに必要な電流を供給し、ワイヤが早期に故障しないことを確認するために、ブロックとフルチップの両方でEM/IR解析を行う必要があります。革新的なmPowerソリューションは、あらゆる規模のアナログ、デジタルおよびミックスドシグナルレイアウト向けの高速、スケーラブル、かつダイナミックな解析オプションを提供します。最大規模のデジタルチップであっても、シリコン実証済みの精度と迅速なターンアラウンドタイムを実現します。」

販売時期
シーメンスのアナログ、デジタルおよびミックスドシグナルIC設計向けパワーインテグリティソリューション、mPowerは、すでに販売開始されています。

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、エンジニアリング、製造、電子設計といった技術的分野を結合し、「将来」の目標を今実現するために努力を続けるデジタル企業を支援しています。 同社のXcelerator製品ポートフォリオは、あらゆる規模の企業がデジタル・ツインを作成 / 活用することで、イノベーションを推進するための新しい洞察力や機会、そしてさまざまな段階における自動化を促進する支援をします。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアおよびXceleratorソフトウェア / サービス・ポートフォリオの詳細については、 www.sw.siemens.com をご覧いただくか、LinkedIn、Twitter、Facebook、Instagramをフォローしてご確認ください。

シーメンスデジタルインダストリーズ(DI)はオートメーションとデジタル化における革新的なリーダーです。パートナーやお客様と緊密に協力して、プロセス業界とディスクリート(部品組み立て)産業のデジタル・変革を牽引します。DIはデジタルエンタープライズポートフォリオによって、あらゆる規模の企業がバリューチェーン全体にわたって統合とデジタル化を実現するための、包括的な製品、ソリューション、サービスを提供します。各業界固有のニーズに合わせて最適化された、DIのユニークなポートフォリオは、お客様の生産性と柔軟性の向上をサポートします。DIは常にポートフォリオに革新性を追加し続け、未来の先端技術の統合に努めています。DIのグローバル本社の所在地はドイツのニュルンベルクで、世界に約76,000名の従業員を擁しています。

シーメンスAG(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、170年にわたり、卓越したエンジニアリング、イノベーション、品質と信頼性、そして国際性を象徴するグローバルなテクノロジー企業でありつづけています。ビルや分散型エネルギーシステム向けのインテリジェントなインフラストラクチャー、プロセス産業や製造業向けの自動化、デジタル化の分野を中心に、世界中で事業を展開しています。シーメンスはデジタルと現実世界を結びつけることで、お客様と社会に貢献します。鉄道、道路交通のスマートなモビィティー・ソリューションの主要サプライヤーであるモビリティを通じ、シーメンスは旅客および貨物サービスの世界市場の形成をサポートします。さらに上場会社であるSiemens Healthineersの過半数の株式を保有することで、医療技術やデジタル・ヘルスケア・サービスの世界の大手サプライヤーでもあります。また、送電および発電の世界のリーダー企業であり2020年9月28日に株式上場したシーメンスエナジーの過半数未満の株式を保有しています。2019年9月30日に終了した2019年度において、シーメンスグループの売上高は585億ユーロ、純利益は56億ユーロでした。2019年9月30日時点の継続事業における全世界の社員数は29万5000人です。詳しい情報は、 www.siemens.com にてご覧いただけます。

この資料は2021年9月28に米国テキサス州プラノより発表されたプレスリリースを翻訳したものです。

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