2022年3月8日

IDCフロンティア、GPU/HPCサーバー向け超高発熱対応「高負荷ハウジングサービス」を提供開始

~国内初、リアドア型空調機とモール構成の気流システムを導入し高い耐障害性を実現~

ソフトバンク株式会社の子会社でデータセンター・クラウド専業会社の株式会社IDCフロンティア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 勝久、以下「IDCフロンティア」)は、「東京府中データセンター」において、GPUやHPCサーバーなど超高発熱機器の高集積に対応する「高負荷ハウジングサービス」を2022年3月8日から提供開始しました。

商用のサービスとしては国内で初めて(*1)、リアドア型空調機を搭載した専用ラックを、排気面が内側になるように2架列単位で配置したモール構成により、モール内で排気を1つに混合(ミキシング)する気流システムを導入しました。これにより、リアドア型空調機の運用上の懸念点であった空調故障時の冗長性が確保され、高性能IT機器を安定して継続稼働できる耐障害性の高いサービスを提供します。

■背景
昨今、AI(人工知能)や自動運転、ゲノム創薬、デジタルツインなど、人々の生活を支援・変革する新たなテクノロジーが登場しています。一方で、それらを生み出すコンピューターに必要な電力が年々増大しており、高電力を必要とするGPUを搭載したAI専用のシステムや高性能なサーバーを束ねたHPCシステムが利用されています。

これらの高電力を必要とする高性能IT機器は、電力の使用と同時に高温の排気が発生することから、一般的な電力供給と冷却能力のデータセンターではラックに設置できる台数が限られます。また、稼働中の冷却や高温の排気による周囲の機器への影響も考慮することが必要です。

こうした中、IDCフロンティアは、GPUやHPCサーバーの集積に対応可能な、高電力供給と安定した冷却性能を併せ持つ「高負荷ハウジングサービス」を、「東京府中データセンター」の専用フロアに構築しました。

■「高負荷ハウジングサービス」の特長

1.リアドア型空調機の吹出冷気をモール構成で1つに混合し高い耐障害性を実現
従来、リアドア型空調機が故障した場合は、そのラックから出される大風量の高温排気が周辺ラックの吸気側に戻り、高性能IT機器の高温障害を誘発してしまうのが運用上の課題でした。

IDCフロンティアの「高負荷ハウジングサービス」では、リアドア型空調機を搭載した専用ラック2架列を、排気面が内側になるように配置して1つのモール構成として覆うことで、各ラックの排気をモール内で混合させて排出する気流システムを導入しています。これにより、一部の空調機が故障して高温の排気が発生した場合も、正常な空調機の冷気がカバーし、空調システムの冗長性を担保する高い耐障害性を実現しています。なお、本モール構成による気流システムは、商用のサービスとしては国内初導入(*1)となります。

2.ラック最大20kVAの電力供給と冷却能力により超高発熱GPUサーバーを複数台搭載可能
超高発熱対応の専用ラックを、1ラック単位で利用することが可能です。1ラック当たり標準で15kVA、最大で20kVAの高電力供給と、大風量・高静圧のファンと中央熱源方式で冷却水を循環させる冷水コイルを組み合わせたリアドア型空調機により、GPUサーバーの複数台搭載やHPCサーバーの高集積に対応します。

3.大手町との接続性に加え自社データセンターやクラウドサービス間で相互閉域網接続が可能
「東京府中データセンター」は、大手町と100Gbpsのバックボーンネットワーク(*2)で接続しているため、「高負荷ハウジングサービス」のラックは当社「東京大手町PoP」を経由した広帯域のインターネット接続が可能です。

また、L2閉域網接続サービス「バーチャルブリッジ」を活用することで、当社の他のデータセンターやクラウドサービスと広帯域のネットワークで相互の閉域接続が実現できます。

さらに、サーバー構築や運用・監視作業の代行、障害の復旧支援を専門スタッフが行う「オンサイト運用アウトソーシングサービス」により、お客さまがデータセンターに入館をすることなくシステム構築と運用が可能で、ニューノーマル時代におけるインフラエンジニアの負荷軽減とデータセンター活用も支援します。

「高負荷ハウジングサービス」の専用ラックには、株式会社NTTファシリティーズ(以下「NTTファシリティーズ」)のリアドア型空調機「CyberAir(R)」を採用しています。

NTTファシリティーズ 取締役 データーセンター本部長 川口 晋氏からのエンドースメント
「NTTファシリティーズは、このたびの『高負荷ハウジングサービス』の発表を心より歓迎いたします。AI時代を見据えた超高発熱GPUサーバー対応水冷空調機『CyberAir(R)リアドア型』を全面的に採用いただいた「東京府中データセンター」は、同型空調機の設置規模としては国内最大級となっていくものと考えております。リアドア型空調機とミキシングアイルキャッピングを採用した新しい気流設計(特許取得済み)とを組み合わせたソリューションを通じて、高集積された超高発熱機器の安定的な運用に貢献していきたいと考えております」

◇「高負荷ハウジングサービス」の仕様
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名称         高負荷ハウジングサービス
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提供拠点       東京府中データセンター
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空調方式       リアドア型水冷空調機(空調ファンはN+1の冗長構成)
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ラック電力      標準15kVA
           最大20kVA
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提供ラック数     230ラック(拠点全体では約4,000ラック収容可能)
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ユニット数      最大47ユニット
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ラック積載荷重    1,050kg
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認証システム     顔認証、静脈認証、カード認証
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ネットワーク     インターネット接続または閉域網接続
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マネージドサービス  オンサイト運用アウトソーシング、サーバー基礎構築、
           データ消去等
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*1 NTTファシリーズの調査による。当該気流システムはNTTファシリーズが特許出願済み
*2 府中-大手町間はビー・ビー・バックボーン株式会社の波長貸しサービス
  「BBB Spectrum(https://www.bbbackbone.co.jp/spectrum/)」で接続

「高負荷ハウジングサービス」および「東京府中データセンター」の詳細は次のURLをご参照ください。
・「高負荷ハウジングサービス」
  www.idcf.jp/datacenter/colocation/high-power.html

・「東京府中データセンター」
  www.idcf.jp/datacenter/location/fuchu.html

また、「高負荷ハウジングサービス」の提供開始に合わせて、「東京府中データセンター」と、リアドア型空調機を搭載した専用ラックやモール構成の内部をご紹介するお客さま向けのウェビナーを実施します。ウェビナーの詳細は次のURLをご参照ください。

・IDCフロンティア イベント・セミナー
  www.idcf.jp/event/

以上

【IDCフロンティアについて】( www.idcf.jp
社名:株式会社IDCフロンティア(IDC Frontier Inc.)
代表者:代表取締役社長 鈴木 勝久
株式会社IDCフロンティアは、ソフトバンクグループの法人向けデジタルインフラ事業会社として、データセンター、クラウド、レンタルサーバーなどを提供しています。大容量バックボーンネットワークと大規模データセンターを全国で展開し、中小規模からエンタープライズ企業まで、幅広いお客さまに高品質・高信頼のサービスを提供しています。

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