2022年5月11日

大阪旭こども病院、医療情報システム基盤のストレージをNetApp FASで再構築

仮想基盤ストレージを集約し運用管理の一元化を実現
筐体間ミラーリング機能で障害時のダウンタイムを極小化
読み取り専用Snapshotを14世代分取得しバックアップの改ざん被害を防止

ITインフラのソリューション・ディストリビューターである株式会社ネットワールド(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 森田 晶一)は、社会医療法人真美会 大阪旭こども病院(所在地:大阪市旭区)の院内仮想化基盤の再構築プロジェクトにおいてネットワールドが提供するネットアップ社製ストレージ「NetApp FAS2750A」(以下、FAS2750A)が採用され、本格稼働開始したことを発表します。

大阪旭こども病院は、早くから業務システムの仮想化に取り組んできましたが、今回、仮想化の対象をさらに拡大し、システム全体の信頼性の鍵となるストレージの可用性を向上させることになりました。新しいストレージ環境は、FAS 2750Aを2台導入して、筐体間ミラーリング機能「SnapMirror」により、本番系に障害が発生した際には、待機系のFAS2750Aを用いて迅速にシステムを復旧できる耐障害性の高い環境を構築しました。

近年、医療機関を狙った標的型ランサムウェア攻撃が増加していますが、ストレージOSの「ONTAP」は、ネットアップ独自設計のためサイバー攻撃を受けにくい上、万一FAS2750A内のファイルが暗号化された場合でも、読み込み専用ファイルで上書きされない「Snapshot」データで復旧することが可能です。Snapshotデータは、厚生労働省のガイドラインを大幅に上回る14世代分を取得しています。
また、外部データセンターにもデータを遠隔保管していますが、FAS2750Aによりバックアップ処理も非常に高速化されました。さらに、圧縮・重複排除機能により、約30%の容量を削減できており、インフラのリソースをより有効に活用できるようになりました。

システムの提案・導入は、ネットワールドのパートナーであり、同病院のITパートナーであるリコージャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 CEO 木村 和広)が担当し、ネットワールドの技術サポートが高く評価されました。

◆ 導入の背景と選定のポイント
日本初の民間小児病院として1966年に開設された大阪旭こども病院は、院内の情報化に積極的に取り組み、2011年には電子カルテシステムを導入し、個別の物理サーバーで稼働していた各種業務システムの仮想化を実施。診療データを集計・分析して臨床研究に役立てるためのDWHシステムや患者様向けWi-Fiサービスなど、様々なシステムを整備しています。
今回の院内仮想化基盤の再構築プロジェクトでは、仮想化の対象をさらに拡大してインフラ環境のシンプル化を追求し、医療情報システムに求められる信頼性と可用性の更なる向上がポイントとなりました。ストレージは、従来環境では、筐体内での冗長化によりトラブルに備えていましたが、ストレージ本体自体に大規模な障害が発生すると、その上で稼働する業務システムがすべて止まってしまうことから、信頼性・可用性をさらに引き上げ、ダウンタイムの極小化を図りたいと考えました。これに対して、同病院のITパートナーとして新しい次期仮想化基盤を提案したリコージャパンが選択したのが、多くの導入件数と安定稼働実績があるネットアップのFAS2750Aでした。

FAS2750Aは筐体間ミラーリング機能であるSnapMirrorを搭載しており、2台のFAS2750Aでミラーリングすることで、万一片側のハードウェアに障害が発生した場合も問題なく稼働を継続でき、従来環境のようにストレージ本体が単一障害点になることはありません。
また、近年、医療機関を狙った標的型ランサムウェア攻撃が増加し、その対策に有効とされたバックアップも、CIFS等で接続されたバックアップストレージが狙われるようになっています。これに対して、SnapMirrorは読み取り専用のSnapshotデータを利用するため、後から書き換えられることがありません。加えて、ストレージOSのONTAPはネットアップ独自設計なので、メジャーなOSに比べて攻撃対象となりにくく安心して利用できます。

◆ 新システムの概要と導入成果
2021年11月より本番稼働を開始した新仮想化基盤では、電子カルテをはじめ検査、看護管理、栄養管理、勤怠管理、DWHなど、ほとんどのシステムを集約できたため、運用管理も一元的に行えるようになりました。
FAS2750Aによるストレージでは、万一本番系に障害が発生した際にも、待機系のNetApp FAS2750Aを用いて迅速にシステムを復旧でき、従来の最大の懸念が解消されました。

先ごろ厚生労働省が公表した医療情報システムの安全管理に関するガイドラインでは、電子カルテは5世代、その他のシステムは3世代のバックアップを取得することとされていますが、大阪旭こども病院では、14世代分ものSnapshotを取得。国の施策よりも大幅に進んだ環境を実現しています。

さらに、大阪旭こども病院では、外部データセンターでの遠隔保管により万全のデータ保護体制を確立しており、FAS 2750Aによりバックアップ処理が非常に高速化されたことで、以前のようにジョブの組み合わせに悩む必要もなくなりました。また、FAS2750Aの圧縮・重複排除機能も大きく寄与し、現在では約30%の容量を削減できており、インフラのリソースをより有効に活用できるようになりました。

大阪旭こども病院では、より最適な医療情報環境の実現に向け、今後も継続的に様々な改善に取り組む考えで、リコージャパンの提案力とネットワールドの技術サポートに期待が寄せられています。

※導入事例の詳細は以下をご参照ください。
www.networld.co.jp/casestudy/20220510135403.html
www.networld.co.jp/casestudy/20220509114639.html (動画版)
www.networld.co.jp/casestudy/20220510140015.html (マンガ版)

◆大阪旭こども病院について
nakano-kodomo.or.jp/ 
社会医療法人 真美会 大阪旭こども病院
所在地:大阪市旭区新森4-13-17
大阪市旭区にある全国的にも数少ない民間の小児専門病院。大阪全域の医療機関と連携して365日・24時間体制で小児救急医療の充実に努めている。

■ 株式会社ネットワールドについて
www.networld.co.jp/ 
株式会社ネットワールドは、ITインフラストラクチャーのソリューション ディストリビューターとして、クラウド コンピューティング時代の企業IT基盤を変革する技術製品と関連サービスを提供しています。サーバー、ストレージやネットワーク、そしてアプリケーションやデスクトップの仮想化に早期から取り組み、次世代のITインフラストラクチャーのあるべき姿をリードしています。

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