2024年10月17日

キンドリル、Kyndryl Readiness Reportを発表 90%のリーダーがITに自信を持っている、ただし、将来の準備に対応できていると回答したリーダーは39%にとどまる

AIを活用したKyndryl Bridgeの独自データも使用した初のグローバル調査で、経営幹部によるリスクのランク付け、投資の優先付け、テクノロジーと人材のバランスをとる方法が明らかに

  • セキュリティと規制は、経営幹部の最上位懸念事項
  • AIの投資収益率(ROI)は、スキル、コンプライアンス、互換性によって制限
  • サポートが終了した(EOL)テクノロジーは、CEOが抱える最大の課題
  • 有能な人材は、全体的な備えを促進する

ニューヨーク、2024年10月16日 – キンドリルは本日、2024年版 Kyndryl Readiness Report(以下、本レポート)を発表しました。本レポートでは、経営幹部の90%が自社のITインフラは最高水準と考えている一方で、それが将来のリスクに備えているものだと考えているのは、そのうちの39%に過ぎないという矛盾した状況について掘り下げています。また、本レポートでは、AIの投資効果を実感している企業が42%にとどまる中、ITのモダナイゼーションが企業の競争力獲得にどのように貢献しているかも示しています。

ビジネスリーダーたちはデジタル経済において、リスクの軽減、人材の育成、新しいツールの活用においてITに依存していると述べています。しかしながら、リーダーの94%がテクノロジーのモダナイゼーションを自社にとっての優先事項であると回答する一方で、キンドリルのデータによれば、ミッションクリティカルなITインフラの44%がEOL(End-of-Life)に近づいているか、あるいはEOLに達しており、脆弱性が増大し、モダナイゼーションへの障壁が高まっていることが明らかになっています。ビジネスリーダーたちは、意思決定と人材育成の支援が必要であると述べています。

本レポートは、3,200名の上級意思決定者からのフィードバックと、キンドリルのAIを活用したデジタルビジネスプラットフォーム「Kyndryl Bridge」からのインサイトを組み合わせ、さまざまな市場や業界におけるグローバルなビジネス課題、ビジネスチャンスを明らかにしています。

その他ハイライト:
AIのROIは効果算出が難しい:76%の企業が従来のAIと機械学習に投資している一方で、投資対効果を実感しているのは42%にとどまっています。AI導入の最大の障壁は、依然としてデータプライバシーの懸念(31%)、不確実なROI(30%)、コンプライアンスの課題(26%)となっています。
EOLを迎えたテクノロジーの課題:現代におけるほぼすべてのビジネスは、システムを最新の状態に維持するという課題に直面しています。CEOの64%が時代遅れのITに懸念を抱いており、Kyndryl Bridgeによると、ミッションクリティカルなITインフラの44%がEOLに近づいているか、EOLを迎えています。
テクノロジーの進歩にトレーニングの速度が追いつかない:リーダーの40%以上が、テクノロジースキルのギャップが、モダナイゼーションの進行を妨げていると感じています。
セキュリティは依然として最大の懸念事項:経営幹部の65%がサイバー攻撃を懸念していますが、そのリスクを管理する準備が整っていると感じているのは、わずか30%です。
リーダーがビジネスとテクノロジー間の連携を報告:デジタル変革が進んでいる企業は、ビジネスリーダーとテクノロジーリーダー間のコラボレーションが強化され、テクノロジープロジェクトのROIが向上したと報告しています。

キンドリルの会長兼最高経営責任者(CEO)であるマーティン・シュローター(Martin Schroeter)は次のように述べています。「数千社におよぶお客様企業の複雑なITインフラを運用し、変革をもたらしているキンドリルは、企業が今日のビジネス課題を克服する機会を特定する方法について、幅広い視点を得ることができました。将来に対応する準備は継続的な課題であり、それはつまり、従業員に力を与え、ツールを企業文化に合ったものにし、組織全体でデジタルトランスフォーメーションの複雑なジャーニーに取り組むということなのです」

本レポートではリスクとメリットが明らかに

ビジネス上の懸念事項の第1位はサイバーセキュリティです。ビジネスリーダーの65%がサイバー攻撃への懸念を示していますが、その対策ができていると感じているのは30%にとどまっています。同様に、59%が気候や環境による混乱に懸念を示していますが、自社のシステムで効果的に対応できると考えているのはわずか25%です。

また、主要な施策が実施される中、規制強化の動きも経営幹部の大きな関心事となっています。経営幹部の48%が規制のペースが速すぎると懸念している一方で、66%は規制が全体としてポジティブな効果をもたらしていると考えています。

こうした課題があるにもかかわらず、モダナイゼーションを進める企業は、そのプロジェクトから明確なメリットを実感しています。 リーダーたちは、過去1年を振り返り、効率の向上(85%)、イノベーションの拡大(71%)、従業員や顧客の体験の向上(60%)を経験したと述べています。 しかしながら、経営陣はデータセキュリティや規制遵守(34%)、エネルギー使用量や排出量の削減といったサステナビリティ面での成果(27%)については、それほど大きな効果を実感しておらず、依然として改善の余地があるようです。

IT資産全体の問題を監視し解決する自動化プログラムのような、より高度なITツールを導入している企業でさえ、さらなる改善の余地があります。Kyndryl Bridgeでは、ITで発生する問題の平均8%が人の介入なしに自動化で解決されていることが示されていますが、キンドリルでは、さらに最大30%を自動化で解決できる可能性を見出しています。これを実現すれば、企業は保守コストの削減やダウンタイムの回避により、年間数十億ドル相当の節約が期待できます。

準備を整えるためのロードマップの作成
データが示すように、組織は準備を整える過程において難しい決断を迫られています。このレポートでは、盲点や困難なトレードオフを明らかにすることで、急速に変化するビジネス環境において準備を整えるためのロードマップを示しています。

  1. 「人への備え」は「技術への備え」と同様に重要です。ITはあらゆる人に関係するものです。テクノロジーへの取り組みが進んでいる組織では、ビジネスリーダーとテクノロジーリーダーの足並みが揃っていると報告されています。企業文化や業務プロセスを形作る上でITがより重要な役割を果たす中、経営幹部全体で協力するCIOやCTOは今後、テクノロジーのアップグレードとともに、社員をうまく導く体制を整えていくでしょう。有能な人材を育成するリーダーは、将来のリスクに備えていると実感している傾向がより高いとされ、特にAIやサイバーセキュリティといった分野での人材育成への投資が重要になります。
  2. 新規と既存の統合バランスをとる:スマートな投資の根拠を構築するには、新しいツールがテクノロジーだけでなく、企業文化、業務プロセス、企業目標とどのように統合されるかをリーダーが理解する必要があります。 短期的なニーズと長期的な投資のバランスを取ることで、リーダーは複雑なモダナイゼーションの課題に対処しやすくなります。 また、AIのような新しい機能は、強固なデータ基盤に依存しています。 まず基盤に投資することで、長期的に高いROIを実現できる可能性があります。
  3. 技術的負債に関する議論を再構築する:データによると、市場が進化する中で、ほぼすべての人がインフラの老朽化に直面しており、EOLを迎えたテクノロジーに関する課題を抱えているのは企業だけではありません。技術的負債を削減することで、業務の非効率性を排除し、より迅速な成長の可能性を解き放つことができます。つまり、将来のアジリティとイノベーションへの投資です。これには、自動化などの新機能を全面的に採用して効率性を高め、ダウンタイムを削減することが含まれます。

本レポート全文は、こちら(英文)をご覧ください。

調査手法
2024年版 Kyndryl Readiness Reportは、医療、製造、エネルギー、金融など25の業界にわたる3,200名の上級意思決定者からのインサイトを収集し、Edelman DXIが実施した包括的な調査に基づいて作成されています。この調査は2024年7月1日から8月12日にかけて実施され、米国、ブラジル、中国、ドイツ、英国を含む18のグローバル市場における企業のCレベルエグゼクティブ(CEO、CFO、CIO、CTO)およびシニアディレクターの意見を収集しました。

以上

当プレスリリースは、2024年10月16日(現地時間)にKyndrylが発表したプレスリリースの抄訳です。
原文は下記URLを参照してください。 www.kyndryl.com/us/en/about-us/news/readiness-report

キンドリル(Kyndryl Holdings, Inc.)について
キンドリル(NYSE: KD)は、60カ国以上で数千にのぼる企業のお客様にサービスを提供する世界最大級のITインフラストラクチャーサービスプロバイダーであり、世界中の企業が日々の業務で利用する複雑かつミッションクリティカルな情報システムを設計、構築、管理、モダナイズしています。詳細については、 www.kyndryl.com または www.kyndryl.com/jp/ja をご覧ください。

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