シーメンスとソニー、産業用メタバースに向けた画期的な没入型エンジニアリングを実現
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア (以下シーメンス) は本日、ソニー株式会社との協働により、次世代の没入型エンジニアリング・ロードマップの実現に向かっていることを発表しました。シーメンスの製品エンジニアリング用NXソフトウェアとソニーの革新的なヘッドマウント・ディスプレイ (HMD) との統合により、産業用メタバースの構築が可能となります。
ソニー独自のレンダリング技術と高解像度の1.3型4K OLEDマイクロディスプレイを採用したXR HMD (SRH-S1) は、3Dオブジェクトをリアルタイムで高精細かつリアルにレンダリングできます。さらに、3Dオブジェクトの直感的な操作と正確な位置情報入力に向けて最適化されたコントローラーも搭載しており、快適さと安定性を考慮した設計で、より広いクリエイティブな用途に適したヘッドマウント・ディスプレイとなっています。
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの製品エンジニアリング・ソフトウェア担当シニア・バイスプレジデント、ボブ・ハブロック (Bob Haubrock) は次のように述べています。
「今回のソニーとの共同プロジェクトは、当社の主力である製品エンジニアリング・ソフトウェアを通じて、設計者、エンジニア、メーカーのコミュニティに産業用メタバースの力を直接届けることを目的としています。昨年のCESにてHMDについての発表をして以来、当社の多様な人材から成るチームは、エンジニアリング分野における複合現実の活用法を革新する一連のツールを構築してきました。これにより、忠実度の高い3Dモデルに基づくグローバルなコラボレーションが実現するだけでなく、管理された安全な環境のもと、重要な3D CADデータ上で直接的に共同制作ができます。そして本日、この次世代の一連の技術をお客様に提供できる運びとなりました。」
ソニー株式会社のインキュベーションセンターXR技術開発部門の部門長である天辰誠也氏は、次のように述べています。
「CES 2024でシーメンスとの提携事業について発表して以降、当社はこの技術に関するフィードバックをシーメンスのお客様より直接いただいたほか、当社もシーメンスのNXを利用する者として、イマーシブ・エンジニアリングの可能性を追求する熱い気持ちを多くの方々と共有できるのは喜ばしいことでした。」
Briggs Automotive Company (BAC) の創業者兼設計統括者のイアン・ブリッジス (Ian Briggs) 氏は次のように述べています。
「シーメンスのイマーシブ・エンジニアリング技術は、独自のコントローラーにより、設計者やエンジニアがパーツをより簡単に視覚化、設計、編集することを可能にし、お客様は製造前にヒューマン・スケールで自動車を検討できるほか、製造に関わる関係者が設計者やエンジニアと容易に連携し、各部分を検証してから製造に入ることができます。」
シーメンスのイマーシブ・エンジニアリング・ツールセットは、製品エンジニアリングや製造のコミュニティに複合現実の力をもたらすとともに、忠実度の高い複合現実や3Dを活用したコラボレーションを可能にします。シーメンスのイマーシブ・エンジニアリング・ソリューションには、下記が含まれています。
NX™ Immersive Explorer: 設計者やエンジニアが、シーメンスのNXソフトウェアから得た3D CADデータを使用して略式の設計レビューを実施したり、共同作業を行ったりすることを可能にする、ヘッドセットに依存しないソリューションです。
NX™ Immersive Designer: ソニーのHMDと独創的なコントローラーの能力を最大限に生かすべくゼロから設計されたNX Immersive Designerを活用すれば、設計者やエンジニアは追加の準備やソフトウェアを必要とせず、グラフィック機能が豊富な3D製品モデルをNX内でネイティブにやり取り、操作、コラボレーションできます。オブジェクトのやり取りや正確な3Dジオメトリ操作を可能にするソニーのRing and Pointerコントローラーにより、設計者やエンジニアは製品プロトタイプ、NXコマンド、およびメニューを直接操作できます。
NX Immersive Designerは、拡張現実や複合現実の環境に対応しているため、仮想オブジェクトを現実世界に配置したり、高忠実度の仮想設計レビュー空間や大型かつ高解像度の仮想ディスプレイを通じて設計セッションを実施したりするなど、仮想設計セッションの可能性をさらに広げ、補完できます。また、より効率的なやり取りを求める場合はイマーシブ環境でNX Voice Command Assistantを活用することで、簡単な音声キーワードから多階層にわたるメニューの移動やシンプルなクリック操作が可能となります。
NX Immersive Collaborator: NX Immersive Explorerと NX Immersive Designerの機能をベースとして構築されているNX Immersive Collaboratorは、組織の規模を問わず、複数の参加者が一堂に会して、またはリモートで設計レビューを実施できます。NX Immersive Collaboratorで設計コラボレーションやレビュー・セッションを開催するには、シーメンスのクラウド対応型NX Xが必要です。参加者はローカルVRビューまたはデスクトップ・ビューを使用して参加できるので、幅広い協働方法を選択できます。ホスティング・セッションの場合のみ、バリューベースのライセンス・トークンを使用することで、参加者は遠隔から無料で参加できます。
販売時期
NX Immersive Designerは、シーメンスのバリューベースのライセンスを通じ、最新のアップデートですべてのNXユーザーに提供されています。NX Immersive Collaboratorは、バリューベースのライセンスを通じ、NX Xアップデートで今月後半に提供が開始される予定です。NX Immersive Engineeringツールは、4K OLEDマイクロ・ディスプレイと専用コントローラーを搭載したソニーのHMD製品限定として開発されたものです。コントローラー搭載のHMDにはNX Immersive Explorerと NX Immersive Designerの両方が必要で、今すぐ先行予約をしていただくと $4,750でご提供可能です。出荷は2025年2月の開始を予定しています。詳しくは、こちらをご覧ください。
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、Siemens Xceleratorビジネス・プラットフォームのソフトウェア、ハードウェア、サービスを最大限に活用し、あらゆる規模の組織がデジタル・トランスフォーメーションを実現する支援をします。シーメンスのソフトウェアと総合的なデジタルツインにより、企業は設計、エンジニアリング、および製造プロセスを最適化し、現在のアイデアを将来の持続可能な製品に転換できるようなります。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、チップからシステム全体、そして製品からプロセスに至るまで、あらゆる産業において変革を加速させます。Siemens Digital Industries Software – Accelerating transformation
この資料は2025年1月7日に米国テキサス州プラノより発表されたものを翻訳したものです。