Nutanix、分散ソブリンクラウドの構築・運用支援に向けて機能を拡張
Nutanix Cloud Platformの強化機能により、顧客企業は分散環境のセキュリティ、コントロール、レジリエンスを維持
ハイブリッド/マルチクラウド・コンピューティングのリーダーであるNutanix Inc.(本社:米国カリフォルニア州、プレジデント兼CEO: Rajiv Ramaswami 以下、Nutanix)は本日、Nutanix Cloud Platform(以下、NCP)ソリューションの新機能を発表しました。今回の機能拡張により企業は、エアギャップ環境、ソブリン(主権)サービスを提供するクラウドプロバイダー、あるいは両方を組み合わせる場合など、従来型、モダン、AIアプリケーションを実行する分散環境において、統合型の管理や運用のシンプルさを損なうことなく、インフラストラクチャーの展開とガバナンスをより柔軟に行えるようになります。
企業が複数の地域やクラウド環境へと拡大する中、ソブリン要件と事業継続性は一層複雑化しています。同時に、レジリエンスとソブリン性を確保する重要な原則として、単一のクラウドベンダーのエコシステムに依存しない、柔軟な運用が求められています。
NCPの新機能により、顧客企業は、自社の環境と主権サービスを提供するクラウドプロバイダーを含むあらゆる環境で、インフラストラクチャーの運用とガバナンスについて、これまで以上に幅広い選択肢が得られます。これにより、レジリエンス、セキュリティ、コントロール、グローバル管理に、より一層注力することが可能になります。今回のアップデートでは、Nutanix Kubernetes Platform(NKP)およびNutanix Enterprise AI(NAI)ソリューションに最新のセキュリティ機能が採用されており、ガバナンスに基づくセキュアなクラウドネイティブ/AIワークロードをより強力にサポートできます。
Nutanixの製品管理部門エグゼクティブ・バイスプレジデントであるThomas Cornelyは、次のように述べています。「企業にとってソブリンクラウドアーキテクチャが重要な優先事項となる中、Nutanix Cloud Platformに複数の機能強化を行いました。これにより、お客様は分散型クラウドインフラストラクチャーの優位性を維持しながら、こうしたニーズに対応できます。今回の新機能がお客様にもたらす明確さとコントロールは、分散環境に対して独自の主権境界を設定しつつ、分散型クラウドが提供するレジリエンスと柔軟性を活用する上で必要な要素です。」
ソブリン要件に対応したアーキテクチャ向けにセキュリティとコントロールを強化
NCPは、複数のダークサイト環境の統合的なライフサイクル管理に加え、ガバナンスとコントロールプレーンをオンプレミスで展開するオプションを提供します。分散型クラウド管理をシンプル化するNutanix Centralは、顧客企業が管理するオンプレミス環境でも実行可能になりました。さらに、非構造化データのセキュリティ、ガバナンス、ランサムウェアへのレジリエンスをシンプルにするNutanix Data Lensも、近日中に、顧客企業が管理するオンプレミス環境に対応予定です。
Nutanixは、パートナーエコシステムのサポートも拡大しています。現在Amazon Web Services(AWS)上で利用可能なNutanix Government Cloud Clusters(GC2)ソリューションは、米国の連邦政府機関向けに分散型ソブリンクラウドを構築・運用するための各種機能を追加します。このGC2 on AWSは、外部のSaaSや共有の認証情報を使用せず、オーケストレーションを政府機関の環境内に保持します。これにより、Nutanixクラスターは、Amazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)内で完全に実行されます。
一般提供を開始したGoogle Cloud上のNutanix Cloud Clusters(NC2)ソリューションは、世界の17の地域の顧客を対象に、インフラストラクチャーのモダナイズ手段を拡充します。米国では新たにMicrosoft AzureとAWSの提供地域が追加され、顧客、ソブリン要件や地域の法令に準拠した環境をより柔軟に展開できます。欧州では、OVHcloudのセキュアなクラウド上でNC2を利用できます。
Nutanixのクラウドサービスのセキュリティとコンプライアンスに関する信頼性を維持するため、NC2 on AzureとNC2 on AWSは、年次の「SOC 2 Type 2」監査を完了し、「ISO 27001/27017/27018/27701/22301」認証の更新を達成しました。さらに、2025年には、NC2 on Azureが初めて「CSA Star Level 2」認証を取得しました。これらの保証・認証は、システムのセキュリティ、可用性、機密性、プライバシーを支えるNC2のコントロールが、2024-2025年度の監査済みの基準と照らし合わせて効果的に運用・保守されていることを裏付けるものです。これにより、Nutanixのセキュリティ/コンプライアンス管理の有効性が第三者によって裏付けされ、NC2を利用する顧客企業に対して、国際基準に基づいて運用されているという一層の確信を提供します。
機密性の高い、あるいは規制対象のAIワークロードを運用する企業など、厳格なセキュリティとコンプライアンス要件を持つ企業への対応を強化するため、NKPには「FIPS 140-3」の検証済みでSTIGに準拠したUbuntu Proイメージオプションを現在開発中です。このほか、NutanixはVPCベースの隔離、ネットワークの負荷分散、マイクロセグメンテーションの各種機能をコンテナ化されたワークロードに拡大し、仮想マシンとコンテナ全体で一貫したコントロールを提供します。
官公庁向けNVIDIA AI Enterpriseソフトウェアブランチのリリースにより、NAIユーザーは、STIG強化およびFIPS対応のコンテナ内で動作するNVIDIA NIMマイクロサービスを使用し、最新のAIモデルを展開できるようになりました。NAIに追加されたセキュリティ強化機能には、アイデンティティ統合の強化、モデルに対するきめ細かなアクセス制御、ガバナンス対象のAIワークロードをサポートするロギング/モニタリングの拡張が含まれます。新たにオブジェクト検出とデータ解析に対応したNVIDIA NIMマイクロサービスも認定を取得し、NAIに追加されています。
分散運用のレジリエンスを強化
NCPの新機能により運用の停止時にもサイトとリージョンを横断してアプリケーションの可用性を維持できるようにレジリエンスが強化されます。本機能は、単一サイトや単一ベンダーへの依存を回避しつつ、海外の法規制や政府措置の影響を受けるリスクへの対応が求められる、ソブリン要件に準拠した環境では不可欠です。
企業のチームは、階層型の高度なディザスタリカバリオプションを導入し、それぞれのワークロードに合った保護レベルを適用することで、耐障害性とサイバーリカバリのレジリエンスをさらに向上することができます。今回の追加機能により、最大3つのサイトやリージョンに障害が発生した場合でも、事業継続性の確保を支援できるようになります。マルチクラウドのスナップショットを階層型アプローチに統合することで、サイバーレジリエンスを目的とした保護層が追加されます。フェイルオーバーやライブマイグレーションの際にもセキュリティポリシーの一貫性を維持することで、ワークロード移動時の運用ギャップが軽減されます。
Nutanix Data Services for Kubernetes機能強化により、ブロック/ ファイルデータの両方を含むコンテナを対象に、階層型の同期/非同期ディザスタリカバリ保護が拡張されました。企業はAIネイティブなアプリケーションを含むモダンなKubernetesアプリケーションで、自社のガバナンス/コンプライアンス目標を達成できます。
複数の環境を横断した統合型のグローバル管理
NCPは、管理機能の強化と分散環境の展開・運用合理化により、顧客企業は自社のサイトとソブリン要件に準拠したクラウドプロバイダーをまたぐ環境について、より一貫したコントロールを得ることができます。最新の自動化ツールであるNutanix Infrastructure Managerは、検証済みで完全にテストされた設計パターンを用いて展開を合理化し、データセンター環境の立ち上げと保守を容易にします。
統合型のネットワーク制御プレーンは、VLAN、仮想ネットワーク、マイクロセグメンテーションのポリシーを一元的に可視化します。管理者は、オンプレミス環境とパブリッククラウド環境を含むネットワーク全体にわたり一元的な可視性とコントロールを得ることができます。
NKPクラスターが自動的にNutanix Prism Centralに登録され、インフラストラクチャーレベルの可視性が直ちに得られることから、KubernetesとAI環境の管理もよりシームレスになります。NAIには新たなLLMメトリクスダッシュボードも追加され、リクエストとトークンのアクティビティを詳細に把握することで、チームはAIワークロードをより効果的に監視・管理できます。
カスタマーの視点
LFBグループ CTO のPaul Bodet氏は、次のように述べています。「バイオ医薬品企業である当社にとって、データ主権、およびコンプライアンスは極めて重要な領域です。Nutanix Cloud Clusters on OVHcloudの導入により、欧州内の信頼性の高いクラウド基盤上で機密情報を適切に保護しながら、インフラストラクチャーのモダナイズを推進することが可能になりました。この取り組みによって、運用の効率化およびレジリエンスの強化を実現し、セキュリティとコンプライアンスを確保した上で、医療分野におけるイノベーションを継続的に創出してまいります。」
InetumのCEO EuromedであるFrançois Fleutiaux氏は、次のように述べています。「デジタルサービスおよびソリューションプロバイダーとして、Inetumは企業がハイブリッドクラウドへの移行をよりシンプルに、そして迅速に進められるよう支援することに注力しています。OVHcloud上のNutanix Cloud Clustersにより、オンプレミスとクラウドをまたいだシームレスな運用に支えられた、ソブリンかつコスト効率の高い選択肢をお客様に提供できます。このパートナーシップは、モダナイゼーションプロジェクトをより迅速に、予測可能に、そして確信を持って提供する当社の力を強化します。」
パートナー・業界の視点
IDCのインフラストラクチャー・システム・プラットフォーム・テクノロジーグループのバイスプレジデントであるDave Pearson氏は、次のように述べています。「運用の一貫性を損なうことなく規制の義務を満たす必要のある企業にとって、分散ソブリンクラウドは優先事項となりつつあります。ローカルなコントロールを維持しつつ、クラウドの拡張性をサポートするモデルは、アプリケーションとインフラストラクチャーのモダナイズを進める企業にとって魅力的です。そして、Nutanixはこうした要求に応えるべく、ソブリン要件に準拠した分散型アーキテクチャを運用化することで、コンプライアンス、プライバシー、ガバナンスのニーズの支援を目指しています。」
NVIDIAのエンタープライズAIソフトウェア部門バイスプレジデントのJohn Fanelli氏は、次のように述べています。「企業が構築するAI戦略には、分散環境で展開するためのセキュリティ、主権、自由が求められます。Nutanixの分散型クラウドプラットフォームとNVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティングおよび官公庁対応のNVIDIA AI Enterpriseを組み合わせることで、お客様はデータの保存場所に関わらず、コントロール、レジリエンス、効率性を高めた高性能なソブリンAIシステムを構築・運用できます。」
Intelのデータセンター製品責任者でIntelフェローのSrini Krishna氏は、次のように述べています。「企業がソブリン性とガバナンスを重視する中、Intelのテクノロジーは、Nutanixの分散型クラウドソリューションをサポートする上で必要なハードウェアのセキュリティとパフォーマンスを提供します。両社の協力により、ソブリン要件に準拠したアーキテクチャの構築・管理が容易になり、厳格なコンプライアンス要件を満たしつつ、大規模なイノベーションを実現できます。」
Cisco Computeのシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのJeremy Foster氏は、次のように述べています。「現在の企業は、高度に分散したアプリケーション、ゼロトラストセキュリティモデル、そして進化するデータ主権のニーズに対応するため、アーキテクチャを再定義しています。Ciscoの統合されたスケーラブルでセキュアなコンピュートおよびネットワークインフラ上でNutanix Cloud Platformを実行するお客様は、重要なワークロードがどこで稼働していても、一貫した運用性を享受できます。今回のNutanixの新機能強化により、これらのワークロードの展開とガバナンスがさらに簡素化されます。CiscoとNutanixは、レジリエンス、コンプライアンスを備え、未来に備えたインフラ構築を実現できるよう支援します。」
OVHcloudの最高製品および技術責任者のYaniv Fedida氏は、次のように述べています。「ヨーロッパの企業は、分散型クラウドアーキテクチャの機動性を享受しながらも、自社のデータと業務を完全にコントロールする方法を求めています。Nutanixとの協業により、OVHcloudの信頼できるソブリンインフラとNutanix Cloud Clustersの柔軟性が組み合わさることで、お客様はリージョンや環境をまたいで自らのセキュリティ境界を定義し、適用できるようになります。私たちは企業に対し、より高いセキュリティ、レジリエンス、そして自律性を提供し、ますます分散化の進む世界での運用を可能にしています。」
Nutanixのプレジデント兼CEOであるRajiv Ramaswamiが本日の発表についてコメントする動画は、こちらをご覧ください。
本日の発表に関する詳細は、以下のNutanixブログ(英文)でも紹介しています:
- What is New in Nutanix Cloud Infrastructure 7.5
- Enterprise Grade Management Built for Scale, Sovereignty, and Resilience
- Disaster Recovery Enhancements
- Integrated Security is Key Part of Distributed Sovereign Cloud
(以上)
Nutanix Inc.について
Nutanixは、ハイブリッド・マルチクラウドコンピューティングのリーダーとして、あらゆる場所でアプリケーションやAIを実行し、データを管理するための安全かつ統合されたプラットフォームを企業に提供しています。Nutanixを利用することで、従来型および最新のアプリケーションの運用を簡素化でき、企業は本来のビジネス目標に集中することが可能になります。Nutanixは、世界中29,000社以上の企業から高い信頼を獲得しており、企業のデジタル変革と一貫したシンプルかつコスト効率の高いハイブリッドマルチクラウド環境の運用を支援しています。詳細については、www.nutanix.com/jpをご覧ください。または@NutanixJapanより、フォローしてください。