2018年4月25日

慶應義塾、教育研究・医療基盤を支える仮想化基盤としてNutani xのEnterprise Cloud OSソフトウェアを採用

安定した仮想化基盤で意識する必要のない容易な運用を実現。

ニュータニックス・ジャパン合同会社 (本社: 東京都千代田区、社長: 町田 栄作、以下Nutanix) は本日、慶應義塾 (塾長: 長谷山 彰) と慶應義塾大学病院 (病院長: 北川 雄光) の仮想化基盤にNutanixのEnterprise Cloud OSソフトウェアが採用されたことを発表しました。

慶應義塾はキャンパスや大学病院ごとに情報技術基盤を管理・運用・支援する部門を設置しており、教育機関全体としては、インフォメーションテクノロジーセンター (以下、ITC) が、大学病院では病院情報システム部が、その役割を担っています。また、全塾で利用するキャンパス横断的なシステムはITC本部が、キャンパスごとのシステムはキャンパスITCがそれぞれ運用管理を担当しています。

各キャンパスITCの課題は、教育研究系の各システムが稼働する仮想環境の運用管理でした。以前に芝共立ITCを担当し、現在、日吉ITC 事務長を務める中村進氏は「芝共立ITCに所属していた当時、ディスク障害により、仮想化基盤を停止せざるを得ない事態に陥ったことがありました。リプレース時期が迫っていたため、耐障害性の高い仕組みを検討しました」と語っています。また、湘南藤沢ITCでは、物理サーバーで運用してきた大学院生向けに仮想サーバーを払い出すVPS (Virtual Private Server) 環境を刷新する際に、新たな仮想化基盤を検討しました。ITC本部では、これまで複数のキャンパスに冗長化して展開していた、3層構成の全塾向けシステムが稼働する仮想化基盤のリプレースを検討しました。「リプレースの際に無停止のまま移行でき、簡単にスケールアウトできる基盤を求めていました」とITC本部 宮本靖生氏は振り返ります。大学病院では、病院内のシステムをブレードサーバー上の仮想環境で運用していましたが、拡張性やSANそのものに限界を感じており、新たな基盤を検討しました。それぞれ課題は異なるものの、仮想化基盤の運用管理を容易にする、新たな仕組みを求めていました。

最初にNutanixの導入を決めたのは、芝共立キャンパスでした。リスクの高い共有ストレージの運用から脱却し、可能な限り運用の簡素化が見込めることが決め手となりました。その後、湘南藤沢キャンパスでもNutanixの導入を決定。「ハイパーバイザーに他社製のソリューションを採用した場合、どうしてもライセンス面でのコスト負担が大きくなります。運用の容易性や拡張性などを考慮するなかで、追加のライセンス費用が必要ないNutanix独自のハイパーバイザー、AHV (Acropolis Hypervisor) に注目したのです」と湘南藤沢ITC 山方崇氏は説明します。ITC本部では、スケールアウトするだけでシステムを止めることなく移行できる環境を構築したいと考えており、その結果、NutanixのEnterprise Cloud OSを導入しました。また、大学病院では、柔軟に拡張できる新たな環境整備を目指しました。「NutanixについてITC本部に話を聞くと、通常のディスクでも重複排除や圧縮効率が高められるという点が印象深かった。拡張性の高さやスペース効率などを考慮した結果、NutanixのEnterprise Cloud OSによるメリットがトータルで大きいと判断しました」と慶應義塾大学病院 病院情報システム部 主任 大貫亮氏は語っています。

導入効果
現在は、拠点ごとに必要なアプリケーションを仮想化基盤の上でそれぞれ稼働させており、その基盤にNutanixのEnterprise Cloud OSが活用されています。芝共立キャンパスでは、Nutanix上でWebシステムやファイルサーバー、ドメインコントローラなどを稼働させています。湘南藤沢キャンパスでは、大学院生向けのVPS環境にNutanixのソフトウェアを搭載したOEMのDell EMC XCシリーズが4ノード、事務用の環境としてNutanixのアプライアンスが導入されています。またITC本部では、Webシステムや認証基盤、学習支援を行うLMS (Learning Management System) といった授業に直結する仕組みなど、全塾向けに提供している数多くのシステムが、複数のキャンパスに導入されたNutanixのアプライアンス上に展開。大学病院では、医療機器管理システムをはじめ、健診システムやナースコールシステム、輸血管理システムなどの業務システムをNutanixのソフトウェアを搭載したLenovo ThinkAgile HXシリーズ上に展開していく予定です。

新しい環境に刷新した効果について、宮本氏はシステムの応答については体感できるほど迅速になったと評価しています。「インターフェース部分だけでも、ユーザーとして実感できるレベルでレスポンスの改善が見られます。全塾の基盤で稼働しているサービスは、数十万人が利用していますが、以前に比べるとシステム内部の処理をはじめ、そのほとんどが半分以下の時間で対応できています。」また、今後のバージョンアップにもサービスを停止することなく対応でき、管理面でも効率化できると期待を寄せています。「いい意味で“何も起きないこと”が最適な状態であり、まさにNutanixがその環境を作り出してくれています」と宮本氏は説明します。

今後の展望
今後については、各キャンパスおよび大学病院ともに、柔軟な仮想化基盤として拡張を続けていきながら、基盤統合に向けて動きを加速させていく考えです。ITC本部では、すでに業務系基盤を統合するための検討を始めており、現状は200VM程度が稼働するシステムを、最終的には500VM程度の基盤にまで拡張していく計画です。

宮本氏が今後期待しているのは、AHVが実装しているネットワーク仮想化の機能をはじめ、アプリケーションのオーケストレーションを可能にする「Nutanix Calm」によるパブリックラウドとの連携です。「オンプレミスやパブリッククラウドを意識せずにアプリケーションが展開できるNutanix Calmを使えばサービスの継続性が高まります。インフラのリソースが不足すれば、自動的にスケールしてリソース調整が行われるような、そんな仕組みにもしていきたい」と宮本氏。また、キャンパス間をつなぐ潤沢なネットワークを持つ慶應義塾だけに、キャンパス間をまたいでNutanixをスケールアウトさせる構成が実現できると面白いと語りました。

本事例の詳細は、以下リンクよりご覧いただけます。
go.nutanix.com/rs/031-GVQ-112/images/Nutanix_Case_Study_Keio_Uni.pdf (以上)

Nutanix Inc.について
Nutanixは、クラウドソフトウェアとハイパーコンバージド・インフラストラクチャー・ソリューションのグローバルリーダーであり、ITインフラストラクチャーをその存在さえ意識させない「インビジブル」なものに変革することで、企業のIT部門が、ビジネスに直結したアプリケーションやサービスの提供に注力できるようにします。NutanixのEnterprise Cloud OSソフトウェアは世界中の企業に採用されており、パブリッククラウド、プライベートクラウド、分散型エッジクラウドを対象に、ワンクリックのアプリケーション管理とモビリティを実現することで、総所有コストを大幅に削減しつつ、あらゆる規模でアプリケーションの実行を可能にします。その結果、高性能のIT環境をオンデマンドで迅速に実現でき、アプリケーション所有者には真のクラウドライクな体験が得られます。詳細については、www.nutanix.jp をご覧いただくか、Twitterをフォローしてください (@nutanix)。