2018年11月6日

GumGumとThe Drum社、コンテクスチュアル広告に関する最新調査レポートを発表

〜世界のマーケターは、各広告ターゲティング手法の価値をどう評価しているのか〜

独自の画像認識技術を持つ、米国カリフォルニア発のAI企業であるGumGum(ガムガム、東京都千代田区、マネージング・ディレクター:若栗 直和、以下GumGum)は、英The Drum社調査部門と協力し、コンテクスチュアル広告に関するレポートを発表しました。米国および英国でマーケティング部門を統括する上級管理職層116名を対象に実施した調査に基づくこの最新レポートでは、現在最も注目されているマーケティング手法が、コンテクスチュアル広告であることが明らかにされました。コンテクスチュアル広告は進化し続けており、現在ではより高度なセマンティック・アナリシス(自然言語解析)と合わせ、コンピュータビジョン技術(視覚情報処理)も用いられています。

今回の調査の結果、米国で最も広く用いられているのがコンテクスチュアル広告で、回答者の約半数である49%が採用していることが分かりました。英米両国共通でデジタル広告関連の責任者は、コンテクスチュアル広告が自社広告との関連性を最も高めることができる、と回答しています。その中でも、単一のキーワードで関連性の低い広告を配信する手法はもはや過去のものになりつつあり、現在では、ページ全体からテキストや画像を認識することにより、さらに精緻にコンテンツの文脈を理解し、関連性の高い広告を配信する手法が注目されています。

【調査結果概要㈰:利用しているターゲティング手法】
1)調査では、現在主流をなすターゲティング手法、㈰コンテクスチュアル(閲覧ページの文脈、画像等に基づくもの) ㈪デモグラフィック(閲覧者の属性:性別、年齢、職業等に基づくもの) ㈫ジオロケーション(閲覧者の測位・位置情報に基づくもの) ㈬ビヘイビアル(閲覧者の行動パターン・閲覧履歴等に基づくもの)で比較。
現在利用しているもの(複数回答)
米国 ㈰コンテクスチュアル(49%)㈪デモグラフィック(46%)㈫ジオロケーション(44%)㈬ビヘイビアル(25%)
英国 ㈰デモグラフィック(46%)㈪コンテクスチュアル(32%)㈫ジオロケーション、ビヘイビアル(同率29%)

2)調査結果は、ターゲティング広告は単一手法だけでなく、複数の手法を組み合わせて行われていることも示しています。両国ともほぼ2/3(米61%、英65%)の回答者が、「今後コンテクスチュアル広告だけを行うわけではない」と回答しています。実際にコンテクスチュアル広告を利用する企業は 28%が「常時利用」、40%が「高頻度で利用」、15%が「時々利用」と回答しています。

コンピュータビジョン技術は画像データを自動で認識・分析することで的確な判断を可能にします。消費者向けコンテンツに画像、動画などのリッチコンテンツ、ビジュアル要素がますます増えていく中で、この技術は他社との競争優位性を左右する重要なカギを握ります。人間の脳は文字情報の6万倍の速度で画像情報を処理します。マーケターは、文字だけでなく画像を含めたページ内コンテンツの文脈を把握しターゲティングを行うことで、厳しい競争の中、他社に対する優位性を確保することができると言えます。

【調査結果概要㈪:コンテクスチュアル・ターゲティングの効果】
1)コンテクスチュアル・ターゲティングが各社のターゲティング・ミックス戦略上どのような効果を上げているか、様々な項目について1-10ポイント評価の回答式で調査しました。これによれば、コンテクスチュアル広告で最も評価ポイントの高かったのは、米英ともに ㈰「自社の広告(内容・メッセージ・スタイル等)との同質性、関連性の上昇」で、回答者の44%が8ポイント以上の高得点をつけました。本項目で、コンテクスチュアル広告以外で高得点を示した手法はありませんでした。次いでコンテクスチュアル広告で高評価だったのは、米英ともに ㈪「ユーザーエクスペリエンスの向上」(回答者の1/3が8ポイント以上)でした。一方他の項目には、米英の回答に有意な差異が見られるものもあります。米国の回答者は、キャンペーン企画やブランド認識向上面でコンテクスチュアル広告を非常に高く評価しましたが、英国での評価は米国ほど高くありませんでした。
2)同様に、「2017年のThe Times紙報道以降、YouTubeへの広告出稿を控えるようになったか」という設問に対し、米国で65%、英国で79%の回答者が「Yes」と回答しています。
3)パフォーマンスに関する調査では、コンテクスチュアル・ターゲティングによる効果上昇は、ビヘイビアル・ターゲティングと比較して平均73%高いと回答しています。

また、今回の調査では、コンテクスチュアル広告への投資が今後さらに上昇することも示唆されています。英国では回答者の59%が、次年度も前年同様継続してコンテクスチュアル広告に予算を充てる予定だと回答し、18%が広告費を増額すると答えています。今後については、26%が来年はコンテクスチュアル広告の優先度を高める予定であると回答しています。米国でも同様に、61%が今後も継続的にコンテクスチュアル広告に投資し、24%が予算を増額する予定だと回答しています。次年度については、31%がコンテクスチュアル広告の優先度を高める予定であると答えています。コンテクスチュアル広告の需要はGDPR(EU一般データ保護規則)施行後、一気に拡大する傾向にあり、GDPRの影響が欧米全体に広がると感じている回答者もいました。

更に調査では、ターゲティング広告全般を自社では利用していないとの回答も、米国で25%、英国で37%に上るなど、データ収集に関して、世界各国で異なる規制やブランドセーフティに対する懸念や課題が拡大している状況も明らかになっています。調査結果からは、こうした環境の中、各企業がコンテクスチュアル広告の有効性を再認識しており、今後も投資を継続して拡大していこうとしている姿勢が窺えます。

コンテクスチュアル広告に関する最新調査レポート全文(英語)はこちらよりダウンロードいただけます。

GumGum(ガムガム)について
GumGumは独自の画像認識技術を持つ、米国発のAI企業です。日々生成される膨大なビジュアルデータの持つ潜在価値を顕在化し、様々な課題の解決に活かすことを目標に活動を展開しています。2008年の創設以来、マーケティング領域を中心にプロダクト開発を行っており、米国をはじめヨーロッパ・オーストラリアなど世界各国でFortune 100の70%以上の企業・ブランドにサービスを提供しています。日本では2017年後半から広告ソリューションの提供を開始し、順次サービスを拡大しています。

■関連リソース
コンピュータビジョンについて
コンピュータビジョンは、GumGumのコンテクスチュアル広告の核心をなす技術です。機械学習により毎月数十億の画像を処理し、それぞれの画像の意味、例えば、自動車、顔、動物、肌、髪、場所、ロゴなどの要素を細部まで検知し特定します。 この画像認識技術に加え、自然言語処理テクノロジーによりページ上のテキストコンテンツからキーワードおよび分類を抽出することで、コンテツの意味解析をリアルタイムで行うことが可能となります。この技術は日々学習を続け、より多くのものを、より精緻に理解・分類すべく進化を続けています。
GumGumの画像認識技術に関するより詳しい情報については、こちらのスライドをご参照下さい。