2020年2月28日

シーメンス、Atlas 3D社を買収してアディティブ・マニュファクチャリングのポートフォリオを拡張

  • Atlas 3Dは、部品の最適方向を定義して、「最初から最適な」3Dプリンティングの実現をサポート
  • GPUアクセラレーションを実装したクラウド・ベースのSunataソフトウェアは、熱ひずみによる下流工程の3Dプリンティングのエラーを他社ソリューションと比較し最大100倍の速さで解決

シーメンスは本日、アディティブ・マニュファクチャリングの設計エンジニアに最適なプリンティング方向と追加パーツの必要なサポート構造をほぼリアルタイムで自動的に提供する直接金属レーザー焼結(DMLS)プリンター対応ソフトウェアを開発する米国インディアナ州プリマスのAtlas 3D, Inc.(以下Atlas 3D社)を買収する契約を締結したことを発表しました。Atlas 3D社はシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの傘下に入り、シーメンスのXceleratorポートフォリオにおけるアディティブ・マニュファクチャリング機能を拡張していくこととなります。

Sunata(TM)ソフトウェアは、熱ひずみ解析技術を活用して、部品の造形方向の最適化とサポート構造の作成を簡単かつ自動的に実行します。このアプローチにより、解析担当者に頼ることなく設計者がシミュレーションを実行することにより、Simcenter(TM)ソフトウェアに頼らざるを得ない下流の解析作業を軽減し、設計要件を満たす部品の製造が可能になります。シーメンスは、同社のオンライン・プラットフォームであるAdditive Manufacturing Networkを介してAtlas 3D社のソリューションを提供していく予定です。

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの製造エンジニアリング・ソフトウェア担当シニア・バイスプレジデントのZvi Feuerは、「弊社のアディティブ・マニュファクチャリング・チームの新しいメンバーとしてAtlas 3D社を迎えることができることを非常に嬉しく思っています。弊社のソリューションは、大手企業、3Dプリンティング・サービス・ビューロー、設計ファーム、およびCAD設計者に向けて、アディティブ・マニュファクチャリングの産業化を可能にしています。クラウド・ベースのSunataソフトウェアは、設計者が3Dプリント部品の最適化方法を簡単に決定して、高品質と高再現性を実現できるようにします。SunataソフトウェアとSimcenterのロバストなCAEアディティブ・マニュファクチャリング・ツールを組み合わせることにより、産業用3Dプリンティングにおいて『最初から最適な』方法の実現を可能にします」と述べています。

Atlas 3D社の最高経営責任者(CEO)であるChad Barden氏は、「シーメンスは、業界で最も高い統合性と機能性を備えたロバストなソリューションを提供しているアディティブ・マニュファクチャリングのリーダーであり、そのチームの一員になれることを非常に楽しみにしています。Sunataの強みは、プリント可能な部品をより簡単に設計できるようにし、アディティブ・マニュファクチャリングの利点をより迅速に実現します。シーメンスのアディティブ・マニュファクチャリング・ソリューションをすでに活用しているお客様やアディティブ・マニュファクチャリングをまだ試したことのないお客様にSunataソフトウェアを紹介し、アディティブ・プロセス対応のフロント・エンド設計に新しい効率化を提案できることを、シーメンスの一員として楽しみにしています」と述べています。

アディティブ・マニュファクチャリングを量産品に応用するときに直面する大きな課題は3Dプリンティングの失敗率の高さです。通常、設計と解析を何度も繰り返さなければ、最適な造形方向や支持構造を決定することはできません。通常、設計者は、部品の向き、ひずみ、熱除去の均一性などの設計要素を考慮できる機能を備えていません。これにより、エンジニアリングの専門家がこのような問題を解決する責任が生じます。

Atlas 3D社のSunataソフトウェアは、フロント・エンド設計者に「最初から最適な」部品の造形に最も近づけるための迅速で容易、かつ自動化された手法を提供することで、この問題を解決します。SunataはGPUアクセラレーションを実装した高性能コンピューティング・アディティブ・マニュファクチャリング・ソフトウェア・ソリューションであり、他の市販の造形シミュレーション・ソリューションに比べて最大100倍の速さで結果を出すことができます。グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)とコンピューター・プロセッシング・ユニット(CPU)を採用したGPUアクセラレーション・コンピューティングにより、ディープ・ラーニング、アナリティクス、エンジニアリング・アプリケーションなどの処理負荷の高い演算も容易に処理することができます。

この買収手続きは2019年11月に完了する予定です。買収条件は開示されていません。

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアについて
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、デジタル・トランスフォーメーションを推進して、エンジニアリング、製造、電子設計が融合する未来志向のデジタル・エンタープライズの構築を可能にします。Xcelerator製品ポートフォリオは、あらゆる規模の企業がデジタル・ツインを作成・活用して、新しい洞察や機会の獲得、自動化の実現をできるようにします。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの製品およびサービスの詳細については、www.sw.siemens.comをご覧ください。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア-Where today meets tomorrow.

シーメンス デジタルインダストリーズについて
シーメンス デジタルインダストリーズ(DI)はオートメーションとデジタル化における革新的なリーダーです。パートナーや顧客と緊密に協力して、DIはプロセス産業とディスクリート(部品組立)産業のデジタル変革を牽引します。デジタルエンタープライズポートフォリオでDI、はあらゆる規模の企業が、全バリューチェーンにわたる統合とデジタル化を実現するための、包括的な製品、ソリューション、サービスを提供します。各産業固有のニーズに合わせて最適化した、DIのユニークなポートフォリオは、お客様の生産性と柔軟性の向上をサポートします。DIは常にポートフォリオに革新性を追加し続け、将来的な先端技術の統合に努めています。シーメンス デジタルインダストリーズのグローバル本社の所在地はドイツ ニュルンベルグで、世界におよそ75,000名の従業員を擁します。

シーメンスAG について
シーメンスAG(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、170年以上もの間、卓越したエンジニアリングとイノベーション、品質と信頼性、そして国際性を象徴するグローバルなテクノロジー企業であり続けています。電化、自動化、デジタル化の分野を中心に世界中で事業を展開しています。シーメンスはエネルギー効率に優れた省資源技術を世界でもっとも多く提供している企業のひとつであり、海洋風力発電の建造では世界一、コンバインドサイクル発電では主要サプライヤー、送電ソリューションでは大手プロバイダー、そしてインフラストラクチャー・ソリューションならびに産業向け自動化ソリューションとソフトウェア・ソリューションのパイオニアです。さらにシーメンスの上場子会社であるSiemens Healthineers AGは、コンピューター断層撮影や磁気共鳴画像診断システムなどの医用画像診断装置の大手サプライヤーであり、また臨床診断および臨床情報技術のリーダーでもあります。2019年9月30日を期末とする2019年度における売上は868億ユーロ、営業利益は56億ユーロでした。2019年9月末現在の全世界の社員数は385,000人です。シーメンスに関する詳細はwww.siemens.comにてご覧いただけます。

注意:シーメンス関連の商標リストについては www.plm.automation.siemens.com/global/en/legal/trademarks.html をご覧ください。その他の商標はそれぞれ各所有者に帰属します。

この資料は2019年11月12日に米国テキサス州プラノより発表されたプレスリリースを翻訳したものです。

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