Nutanix、新OS「Nutanix AOS 5.0」を発表
ニュータニックス・ジャパン合同会社 (本社: 東京都千代田区、社長: 町田 栄作、以下Nutanix) は本日、Nutanixの新しいOS「Nutanix Acropolis Base Software (AOS) 5.0」を正式にリリースしたことを発表しました。「Nutanix AOS 5.0」はすでにダウンロード提供を開始しており、仮想化データプレーンのAcropolis、管理プレーンのPrism、組み込み型ハイパーバイザーのAHV (Acropolis Hypervisor) において、数多くの機能追加を実現しました。
Nutanixが提唱する「エンタープライズクラウドプラットフォーム」において、パブリッククラウド型のサービスを自社データセンター内で提供するには、パブリッククラウドが提供するサービスに類似したインフラストラクチャー・サービスを展開できなくてはなりません。ワークロードが異なるとインフラストラクチャーのニーズも異なります。基盤の物理インフラストラクチャーを一切変更することなく、アプリケーションのニーズに応じて「オン」と「オフ」が可能なサービスを提供することが重要です。
今回の「Nutanix AOS 5.0」では、プラットフォームに新たなインフラストラクチャー・サービスを追加するとともに既存のサービスも強化されており、あらゆる規模のIT部門を対象に柔軟性の向上と潜在的コストの削減を実現します。本リリースには、ソフトウェアの新機能が45種類以上追加され、数百種類に及ぶ機能強化が図られています。
主な新機能は以下の通りです。
Acropolis – 仮想化データプレーンの強化
Acropolis File Services (AFS) の一般提供開始:AFSは、組み込み型のファイルストレージ・サービスで、単体のNASソリューションは不要です。この機能は過去数カ月間にわたって技術プレビュー版で提供されていたもので、5.0リリースで一般提供を開始しました。お客様は、AFSによって利用中の仮想マシン(VM)とファイルデータを同一クラスタ内に統合することができます。AFSは、ユーザー・プロファイル、ホーム・ディレクトリ、アーカイブなど広範な使用事例を対象に、ESXiとAHVのハイパーバイザーで動作します。
Acropolis Block Services (ABS) の強化:AFSと同様、ABSも組み込み型のサービスで、ストレージを非仮想化ワークロードに対応させます。Nutanix AOS 5.0では、ダイナミックな負荷分散機能とフラッシュ・ピン機能のサポートによる高性能化、CHAPを通じたセキュリティの向上によるクライアント・サーバ間のコミュニケーションの安全性向上、オンライン・リサイズ機能による可用性向上など、ABSを大幅に強化しています。ABSの認定ワークロードにオラクルも追加されました。
Metro Availability Witness:Metro Availabilityは、Nutanixのディザスタリカバリ向けの同期複製ソリューションです。Metro Availability Witnessは、場所を問わずに実行可能な軽量型のサービスであり、両方の拠点の状況を監視することで、サービスの中断なしに、ある拠点から別の拠点までの自動フェイルオーバーを実現します。
圧縮機能の強化:Nutanix AOS 5.0では、容量最適化で使用される圧縮アルゴリズムが大幅に向上しており、より効率的なデータ圧縮が可能です。さらに、オールフラッシュ型のシステムの場合、圧縮は初期設定でオンになります。圧縮、重複排除、エラーを訂正する機能など、ネイティブの容量最適化機能により、お客様は最大1/44:1の容量節約が可能です (データの種類によって異なります)。
シングルノードの複製ターゲット:比較的小規模なNutanixの導入環境に対応した、シングルノードのバックアップ/複製先が提供可能となりました。お客様は、ネイティブのバックアップ機能を使用し、同一の拠点でも別のリモート拠点でも、Nutanixの大容量ストレージ・ノードにデータを複製することができます。シングルノードのNutanixで最大40TBの物理容量を持つ環境でこれを実現し、バックアップ/スナップショット・データを保管することができます。
AHV – ハイパーバイザーの強化
Nutanixの組み込み型ハイパーバイザーであるAHVには、極めて重要な2つの機能が追加されました。
AHVのアフィニティ・ルール:アフィニティ・ルールを使用することで、特定のホストや一連のホストに仮想マシンを「ピン」で固定できます。さらに、AHVは仮想マシン同士の反アフィニティ・ルールにも対応し、特定の仮想マシンが同一のホスト上で一緒にならないよう設定することも可能です。
Acropolis Dynamic Scheduling (ADS):AHVは、従来よりインテリジェントな初期配置機能に対応しており、最初に導入された場合、仮想マシンを最適なホスト上に配置します。ADSにより、ハイパーバイザーはCPU、メモリ、ストレージ・コントローラーのホットスポットを検知し、導入された仮想マシンを理想的に適合したホストへ移動できます。従来型のハイパーバイザー・ソリューションの場合、同様の意思決定に際してCPUとメモリだけを考慮します。しかし、AHVでは、仮想マシンの配置アルゴリズムは、ストレージ・リソースやストレージ・コントローラーのボトルネックも考慮した上で、意思決定を行います。
CPU/メモリのホットアド機能:管理者は、CPU/メモリのホットアド機能によってvCPUとメモリを追加し、サービスに影響を与えることなしに仮想マシンを実行できます。アプリケーションの進化に伴い、アプリケーションに割り当てられるリソースをダイナミックに調整し、エンドユーザーへのパフォーマンスの影響を排除することが重要です。これを実現するのが、ホットアド機能です。この機能は、Nutanix AOS 5.0では技術プレビュー版で提供されます。今後のリリースで一般提供を予定しています。
こうした機能によって、AHVは企業のあらゆる本番ワークロードに対応します。いかなる仮想ワークロードであっても、NutanixとAHVで実行できない理由は皆無です。Nutanixのお客様はすでに、AHVで標準化しており、自社のインフラストラクチャー・スタック全体で、総所有コストを大幅に削減しています。
Prism – 管理プレーンの強化
Prismは、Prism StarterとPrism Proで構成される製品スイートです。お客様は、自社のニーズに基づいて、1クリックの包括的なシステム管理ソリューション (Prism Starter)、もしくは1クリックのインフラ管理/オペレーション管理ソリューション (Prism Pro) を選択することができます。
Prismのセルフサービス機能:セルフサービス機能により、エンドユーザーは、自らの管理者認証情報でPrismにログインし、管理者セットポリシーに基づき、必要に応じていつでもアプリケーションを導入・監視できます。この結果、通常業務でIT管理者を頼る必要のあるエンドユーザーと開発者の間で頻繁に発生する摩擦が解消されます。さらに、管理者は特定のユーザーや管理者グループにリソースを割り当てるだけで、エンドユーザーは完全な独立性に基づき、許可されたアクションを実行できます。
ネットワーク可視化機能:ネットワーク可視化機能はPrismの重要な機能の1つです。この機能により、管理者はネットワーキング層までのインフラ管理に関する全体像を把握することができます。仮想マシンとそれらを含むホスト、NIC、ToRスイッチ、VLANとの接続形態と接続状況について洞察を提供し、管理者は自社インフラストラクチャーについて必要な情報のすべてを単一画面で確認できます。個別のツールを使用する必要はありません。この結果、アプリケーションのダウンタイムを招く一般的なネットワーキングの問題を隔離・修正できます。
ESXi管理機能:本リリースでは、PrismによるシンプルなVM管理機能がESXiにも拡大され、お客様がvCenterを使用していた一般的なVMオペレーションが、Prism内で実行できるようになりました。つまり、vCenterを行き来するのではなく、すべての運用管理をPrism上で行えるようになりました。さらに、Prismを使用する管理者は、仮想マシンの作成、更新、削除、クローン作成など、一般的なVMオペレーションをPrism内で実行できます。VMオペレーションと充実の監視機能・分析機能が統合されたことで、vCenterが必要になるのは、低頻度の保守・構成業務に限られます。
ジャスト・イン・タイム容量予測機能 (Prism Proで利用可能):ジャスト・イン・タイム容量予測機能は、今回のPrismの機能強化の中でも最も重要な機能の1つです。ジャスト・イン・タイムの予測により、IT部門はアプリケーションの要件に基づいて、アプリケーションの導入前であってもインフラストラクチャーのニーズをモデル化・理解することが可能です。そのため、IT部門はアプリケーション中心の容量の使用動向や、既存の容量の最適化に必要なアクションを理解できるだけでなく、将来的なインフラストラクチャーへのニーズの計画を立てることも可能です。Prismからのアドバイスに従い、「バイト」サイズの精度で、必要な場合のみインフラストラクチャーを追加導入できます。
検索機能の強化 (Prism Proで利用可能):検索機能のPrism Searchは、Googleのような検索エンジンで、すべての管理アクションはシンプルな検索クエリによって実行可能です。本リリースでは、論理式、検索メモ、オートコレクト、検索に基づく同義語などに対応し、Prism Searchはかつてない高機能を備えています。例を挙げると、「vm iops <1500」と入力すれば、IOPSが1,500未満の全サイトの全VMを素早く確認できます。
「Nutanix AOS 5.0」は、サポート・ポータル経由でのダウンロードを開始しており、ワンクリックのアップグレード・プロセスには近日中に対応する予定です。
(以上)
*本メディアアラートはNutanix本社のブログの抄訳版です。
Nutanix Inc.について
Nutanixは、ITインフラストラクチャーをその存在さえ意識させない「インビジブル」なものに変革することで、企業のIT部門が、ビジネスに直結したアプリケーションやサービスの提供に注力できるようにします。Nutanixのエンタープライズクラウドプラットフォームは、Webスケール技術とコンシューマーグレードなデザインによって、サーバー、仮想化機能、そしてストレージを、耐障害性能に優れ、ソフトウェアデファインドで高度なマシン・インテリジェンスを備えたソリューションです。広範なエンタープライズ・アプリケーションに向け、予測可能なパフォーマンス、クラウドのようなリソース活用や強固なセキュリティ機能、さらにシームレスなアプリケーションモビリティ機能を提供します。詳細については、www.nutanix.jp をご覧いただくか、Twitterをフォローしてください (@nutanix)。
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