2021年4月26日

シーメンス、Simcenter 3D 2021を発表

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア (以下シーメンス) は、シミュレーション&テスト・ソリューションのSimcenter™ポートフォリオの1つであるSimcenter™ 3Dソフトウェアの最新版のリリースを発表しました。Simcenter 3DおよびSimcenterポートフォリオは、シーメンスのソフトウェア、サービス、アプリケーション開発プラットフォームの統合ポートフォリオであるXcelerator™製品ポートフォリオの一部です。Simcenter 3D 2021は、あらゆるシミュレーションの工程におけるエンジニアリング・プラットフォームの一元化と共有化をさらに強化することで、シミュレーションによってもたらされるコスト、スピード、イノベーションへの影響に関するすべてのメリットをユーザーが最大限に活用できるようにします。AI (人工知能) 主導のユーザー体験との機能強化、新たなシミュレーション・タイプに加え、精度や性能、速度の向上など、Simcenter 3D 2021の導入により、企業は開発プロセスの初期段階で設計内容の性能を正しく把握することが可能となります。

多くのアプリケーションにおいて、製品のイノベーションにはその中で使われる先端材料のエンジニアリングが不可欠であり、それこそが先端材料をこれまでにないスピードで市場に投入することのできる理由です。先端材料においては亀裂を考慮することが非常に重要ですが、先端材料に発生するマイクロやメソレベルの亀裂を有限要素法によってモデリングすることは困難です。今回のリリースでSimcenter 3Dは、代表体積要素 (RVE) を完全導入したことにより、分離、2Dおよび3Dでの先端材料への亀裂や融着帯の自動挿入を実現しました。マクロやマイクロ・ストラクチャー・モデルにより、素材全体に伝搬した亀裂を完全にメッシュ分離できます。

セラミックス複合体および構造体のDLR部門におけるシミュレーションおよびエンジニアリングのグループ・リーダーであるNeraj Jainは、次のように述べています。「Simcenter Multimechはマイクロ・ストラクチャー・レベルの亀裂をモデリングし、その亀裂が部品全体に与える影響を把握することができます。このツールを使用することにより、亀裂が進んでいる箇所、亀裂による材料の変化、それが材料のマイクロ・ストラクチャーに最終的に及ぼす影響を具体的に確認できます。」

新しいSimcenter 3Dは後処理を可聴化したツールで、シミュレーションによる圧力の結果を聞くことで音質を評価することができます。これにより音響エンジニアは、さまざまなコンポーネントの振動から発せられるノイズを実際に聞きながら、同時に図表やグラフでそれらを視覚的に確認することが可能です。

シミュレーション主導の設計は、製品の市場への投入にかかる時間を大幅に削減します。そのため、Simcenter 3Dの熱解析機能は金型の設計者と設計エンジニアにとって垂直ソリューションとなり得ます。新しいNX Mold Cooling製品では、Simcenter 3Dの技術を採用し、設計者はすばやく設定を行い、金型の設計をしながら、同時に射出成型金型をNXに直接挿入する際の熱性能をシミュレーションすることが可能です。このツールは射出成型金型設計の熱解析をすばやく簡単に行うことができるため、解析のエキスパートからのフィードバックを待つ必要がありません。

詳しい情報およびSimcenter 3Dの新機能については、こちらをご覧ください。

シーメンスデジタルインダストリーズ(DI)はオートメーションとデジタル化における革新的なリーダーです。パートナーやお客様と緊密に協力して、プロセス業界とディスクリート(部品組み立て)産業のデジタル・変革を牽引します。DIはデジタルエンタープライズポートフォリオによって、あらゆる規模の企業がバリューチェーン全体にわたって統合とデジタル化を実現するための、包括的な製品、ソリューション、サービスを提供します。各業界固有のニーズに合わせて最適化された、DIのユニークなポートフォリオは、お客様の生産性と柔軟性の向上をサポートします。DIは常にポートフォリオに革新性を追加し続け、未来の先端技術の統合に努めています。DIのグローバル本社の所在地はドイツのニュルンベルクで、世界に約76,000名の従業員を擁しています。

シーメンスAG(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、170年にわたり、卓越したエンジニアリング、イノベーション、品質と信頼性、そして国際性を象徴するグローバルなテクノロジー企業でありつづけています。ビルや分散型エネルギーシステム向けのインテリジェントなインフラストラクチャー、プロセス産業や製造業向けの自動化、デジタル化の分野を中心に、世界中で事業を展開しています。シーメンスはデジタルと現実世界を結びつけることで、お客様と社会に貢献します。鉄道、道路交通のスマートなモビィティー・ソリューションの主要サプライヤーであるモビリティを通じ、シーメンスは旅客および貨物サービスの世界市場の形成をサポートします。さらに上場会社であるSiemens Healthineersの過半数の株式を保有することで、医療技術やデジタル・ヘルスケア・サービスの世界の大手サプライヤーでもあります。また、送電および発電の世界のリーダー企業であり2020年9月28日に株式上場したシーメンスエナジーの過半数未満の株式を保有しています。2019年9月30日に終了した2019年度において、シーメンスグループの売上高は585億ユーロ、純利益は56億ユーロでした。2019年9月30日時点の継続事業における全世界の社員数は29万5000人です。詳しい情報は、http://www.siemens.comにてご覧いただけます。

注:シーメンス関連の商標リストについてはこちらをご覧ください。その他の商標はそれぞれ各所有者に帰属します。

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