AMD、Computex 2021にてハイパフォーマンス・コンピューティング・エコシステムにわたるイノベーションを発表
ゲーミング、PC、データセンターを強化するAMDのテクノロジー、拡大するパートナー企業との取り組みを公開
AMD(米国本社:米カルフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO:リサ・スー)は本日、Computex 2021にて、ゲーミング、PC、データセンターにわたるハイパフォーマンス・コンピューティング・エコシステムを加速させる、最新のコンピューティング技術とグラフィックス技術を発表しました。これには、新たな3Dチップレット・テクノロジーによる最新のハイパフォーマンス・コンピューティング技術、自動車市場やモバイル市場におけるAMD製品の採用拡大、エンスージアストやコンシューマーPC向けの新しい「AMD Ryzen™」プロセッサーの提供、最新の第3世代「AMD EPYC™」プロセッサーによるデータセンター分野のリーダーシップ・パフォーマンス、ゲーマー向けの新しいAMDグラフィックス・テクノロジーが含まれます。
チップレット、パッケージング・イノベーションの加速
AMDは、最先端の製造、パッケージング技術への投資とIPを基に、AMD 3Dチップレット・テクノロジーの開発を続けています。この技術は、AMDのチップレット・アーキテクチャーとハイブリッド・ボンド・アプローチを用いた3Dスタッキングを組み合わせることにより、2Dチップレットに比べて200倍以上、既存の3Dパッケージング・ソリューションに比べて15倍以上の相互接続密度を実現しています。TSMCとの緊密な協力関係のもとに開発されたこの技術は、現行の3Dソリューションよりも消費電力が少なく(注1)、世界で最も柔軟な「アクティブ・オン・アクティブ」のシリコン・スタッキング・テクノロジーです。
Computex 2021では、AMD初となる3Dチップレット・テクノロジーの採用例を公開しました。これは、「AMD Ryzen™ 5000シリーズ」プロセッサーのプロトタイプに接着された3D垂直キャッシュで、さまざまなアプリケーションで大幅にパフォーマンスをさせるよう設計されています。AMDは、年内に3Dチップレットを搭載したハイエンド・コンピューティング製品の生産を開始する予定です。
「AMD RDNA™ 2」ゲーミング・アーキテクチャーを新市場に投入
AMDは、業界を牽引するリーダー企業とのパートナーシップを通じて、自動車市場やモバイル市場に新しいゲーム体験を提供します。
「Tesla Model S」と「Model X」で新たに設計されたインフォテイメント・システムには、「AMD Ryzen Embedded APU」とAAAゲーミングに対応した「AMD RDNA 2」アーキテクチャー・ベースのGPUが搭載されています。
AMDはサムスンと提携して、次世代「Exynos SoC」を開発しています。このSoCは、「AMD RDNA 2」アーキテクチャーを基盤としたカスタム・グラフィックスIPを搭載しており、レイトレーシング機能や可変レートシェーディング機能を主力のモバイルデバイスに提供します。
次世代プレミアム・ゲーミング・ノートPC向け「AMD Radeon 6000Mシリーズ」モバイル・グラフィックス
AMDは、高性能ゲームのレベルを引き上げる「AMD Radeon 6000Mシリーズ」モバイル・グラフィックスや新しいソリューションを発表しました。
- 「AMD Radeon RX 6000Mシリーズ」モバイル・グラフィックス:「AMD Radeon RX 6000Mシリーズ」は、ゲーミング・ノートPCにワールドクラスのパフォーマンス、忠実度の高いビジュアル、没入感をもたらします。「AMD RDNA 2」ゲーミング・アーキテクチャーは、「AMD RDNA」アーキテクチャーに比べて最大1.5倍のゲーミング・パフォーマンスを実現します(注2)。
- 「AMD Advantage Design Framework」:AMDとグローバルなPCパートナーとのコラボレーションを通じて、「AMD Radeon RX 6000Mシリーズ」モバイル・グラフィックス、「AMD Radeon™ ソフトウェア」、「AMD Ryzen™ 5000シリーズ・モバイル・プロセッサー」を、独自のAMDテクノロジーやその他のデザイン特性と組み合わせ、次世代のプレミアム・ゲーミング・ノートPCを提供します。初めての「AMD Advantage」ノートPCは、今月より主要OEMパートナーから発売される予定です。
- 「AMD FidelityFX Super Resolution(FSR)」:最先端の空間アップスケーリング技術により、一部のゲームタイトルでフレームレートを最大2.5倍向上させ、高品質かつ高解像度のゲーム体験を提供します。このオープンソース技術は、100以上のAMDプロセッサーとGPU、競合他社のGPUに幅広く対応しており、10社以上のゲーム開発企業が2021年にFSRを自社のトップタイトルやゲームエンジンに統合する予定です。
「AMD Ryzen」ポートフォリオの拡大
AMDは、デスクトップ分野での「Ryzen」ポートフォリオを拡大し、ビジネスやエンスージアスト向けに新たな選択肢を提供します。
- AMD Ryzen 5000Gシリーズ」デスクトップAPU:「Ryzen 7 5700G」と「Ryzen 5 5600G」は、「Zen 3」のパワーと「Radeon」グラフィックスのパフォーマンスを1つのチップに統合したもので、今年後半にDIY市場に提供される予定です。
- 「AMD Ryzen PRO 5000シリーズ」デスクトップ・プロセッサー:「Gシリーズ」、「GEシリーズ」デスクトップ・プロセッサーは、ビジネス向けのエンタープライズ・システムに卓越したパフォーマンスと最新のセキュリティー機能をもたらします。
ビジネス課題に対応する第3世代「AMD EPYC™」プロセッサー
AMDは、第3世代「AMD EPYC」プロセッサーと、サーバー・エコシステム全体にわたるパートナーシップは、何十億ものユーザーが日々利用しているデジタルサービスとエクスペリエンスを支えています。
- 第3世代「EPYC」プロセッサーの導入により、AMDは前世代のプロセッサーと比較して、利用可能なソリューションの数を2倍以上に増やしました。その中には、ハイパーコンバージド・インフラストラクチャー、データ管理、データ分析、HPC向けのソリューションが含まれており、卓越したパフォーマンス、セキュリティー機能、価値を顧客に提供します。
- eコマース・アプリケーションを用いた最新の「インテルXeonスケーラブル・プロセッサー」に対して初めて公開されたデモにおいて、第3世代「EPYC」プロセッサーは、競合他社の最も強力な2ソケット・システムと比較して、同等のSLAを維持しながら(注3)、50%以上のビジネス・トランザクションを実行しました。
- 「AMD EPYC」プロセッサーは現在、クラウド、エンタープライズ、HPCのワークロードとアプリケーションにおいて220の世界記録を保持しています(注4)。
AMDについて
AMDは、没入型プラットフォームやデータセンターに欠かせない要素である、ハイパフォーマンス・コンピューティング、グラフィックスと視覚化技術において50年以上にわたり革新をもたらしてきました。大手企業や科学研究機関が、人々の生活や仕事を向上させるためにAMDのテクノロジーを活用しており、世界中のAMD社員は可能性の限界を押し上げる優れた製品開発に注力しています。日本AMD株式会社は、AMDの日本法人です。