2023年3月15日

AMD、EPYC Embedded 9004シリーズ・プロセッサーを発表

— エネルギー効率に優れた新しいEPYC Embedded 9004シリーズは、組み込みシステム向けに最適化された機能、強化されたセキュリティー、最大96コアの拡張性を搭載 —
— シーメンスとアドバンテックが、本製品を採用 —

AMD(米国本社:米カリフォルニア州サンタクララ、会長兼CEOはリサ・スー)は本日、組み込みシステムに世界最高水準の性能とエネルギー効率を提供する「AMD EPYC™ Embedded 9004シリーズ」プロセッサーを発表しました。この新しい第4世代のEPYC Embeddedプロセッサーは、クラウドやエンタープライズ・コンピューティングにおける組み込みネットワーク、セキュリティー、ファイアウォール、ストレージシステム、工場向けの産業用エッジサーバーに、「Zen 4」アーキテクチャーとテクノロジーを提供します。

「Zen4」コア採用の5nmプロセッサーは、優れた速度と性能を備え、システム全体のエネルギーコストとTCO(総保有コスト)の削減に貢献します。このシリーズは、16コアから96コアにわたる高性能なオプションと、200Wから400Wまでの熱設計電力(TDP)プロファイルを持つ10種類のモデルで構成されています。AMD EPYC Embedded 9004シリーズ・プロセッサーは、性能と電力の拡張性に優れ、さまざまな性能と価格で製品ポートフォリオを拡大する組み込みシステムのOEMにとって理想的な製品となっています。また、AMD EPYC Embedded 9004シリーズ・プロセッサーは、起動時から実行時にわたるセキュリティー機能を強化し、脅威を最小限に抑え、安全なコンピューティング環境を維持できます。これにより、エンタープライズ・クラスの性能とセキュリティーを必要とするアプリケーションに適しています。

AMD EPYC Embedded 9004シリーズ・プロセッサーにより、最も厳しい条件下で動作するさまざまな組み込みネットワーク、セキュリティー、ストレージ、産業用システムを構築できるようになります。AMD EPYC Embedded 9004は、EPYC 9004シリーズ・サーバー・プロセッサーの優れたパフォーマンスと効率性、強化されたデータ・セキュリティー、卓越したコア・スケーラビリティー、および先進的な機能に加え、信頼性やシステム寿命を向上させる、以下のような独自のメリットを提供します。

  • Non-Transparent Bridging(NTB):重複する2つのCPU間でデータの交換を可能にし、システムの信頼性を高めます。
  • Non-Volatile Dual In-Line Memory Module(NVDIMM)(注1):NVDIMMは、揮発性DRAMと不揮発性フラッシュメモリーを組み合わせたハイブリッド・メモリーで、DRAMに格納されたデータをフラッシュメモリーに保存することで、システムの電源障害後やリセット後でもデータを保持できるようになります。
  • Dual Serial Peripheral Interface(Dual SPI):セキュアブートには2つのオフチップROMをサポートすることが可能です。
  • 可用性:最大7年間にわたる計画的な供給により、長期間の利用とサポートが求められる組み込み向けの要件に対応します。

顧客企業での採用
シーメンスとアドバンテックは、AMD EPYC Embedded 9004シリーズを採用しているOEM・ODMです。このプロセッサーは、次世代ファイアウォールやソフトウェア・デファインド・ルーターなどのネットワーキングや、エンタープライズおよびクラウド・ストレージ・システムにも導入される予定です。

シーメンスの新しいSIMATIC IPC RS-828Aサーバーは、AMD EPYC Embedded 9004シリーズ・プロセッサーを搭載しています。このシステムは、自動車製造、5G基地局、IoTパブリッククラウドなど、幅広いアプリケーションに対応するハイパー・コンバージド・インフラストラクチャー(HCI)向けに設計されています。また、小売店などの環境でビジュアル・トラッキングなど、AIや高負荷の演算を伴うアプリケーションにも有効です。

アドバンテックの新製品、ASMB-831サーバーボードは、HPC-7420 4Uラックマウントで、PCIe® Gen5 x16を5スロット、PCIe Gen5 x8を2スロット搭載し、DDR5 4800MHz RDIMMと最大384GB(6DIMMS)のダブルデッキカード4枚に対応しています。ASMB-831サーバーボードは、産業用マシンビジョン、AOI、スマートシティー・アプリケーションの顔認識やセキュリティー監視など、さまざまな画像解析のユースケースに適しています。

AMD EPYC Embedded 9004シリーズ・プロセッサーの概要

OPNモデルコアNominal(w)cTDP(w)BaseFreq(GHz)MaxFreq(GHz)
100-000000921965496360320-4002.43.7
100-000000912955464360320-4003.13.75
100-000000913945448290240-3002.753.8
100-000000914935432280240-3003.253.8
100-000000915925424200200-2402.94.15
100-000000916912416200200-2403.03.7
100-0000009179654P96360320-4002.43.7
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100-0000009199454P48290240-3002.753.8
100-0000009209454P32280240-3003.253.8

EPYC Embedded 9004の提供開始時期について
AMD EPYC Embedded 9004シリーズ・プロセッサーは、グローバルで2023年4月に出荷を予定されています。また、開発を加速させるために、レファレンスボード、包括的なドキュメント、開発ツールキットを提供する評価キットを提供しています。

AMDについて
AMDは、ハイパフォーマンス・コンピューティング、グラフィックスと視覚化技術において50年以上にわたり革新をもたらしてきました。世界中の何十億人もの消費者、フォーチュン500企業、最先端の科学研究機関が、日常の生活、仕事、遊びを向上させるために、AMDのテクノロジーに頼っています。AMD社員は、可能性の限界を押し上げる高性能で適応性の高い製品開発に注力しています。日本AMD株式会社は、AMDの日本法人です。AMDのさらなる詳細は、AMDのウェブサイト、Facebookまたはツイッターをご覧ください。

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