2020年7月30日

シーメンス、Avatarを買収 革新的な配置配線技術によりEDAのシェアを拡大

  • 買収によりシーメンスのXcelerator製品ポートフォリオを拡張し、先駆的な配置配線ソフトウェアにより現行の集積回路設計を強化
  • Avatarの技術は、先端ノード設計のための配線配置によって、Design-to-Silicon分野におけるシーメンスのリーダーシップを強化

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア (以下シーメンス) は、カリフォルニア州サンタクララに拠点を置く集積回路 (IC) 設計向け配線配置ソフトウェアの主要開発者であるAvatar Integrated Systems Inc. (以下アバター) を買収する契約を締結しました。アバターは、エンジニアが、より少ないリソースで複雑なチップのPPA (Power、Performance、Area / 消費電力、性能、面積) を最適化できるよう支援します。シーメンスはアバターの技術を、メンターのICソフトウェア・スイートの一部としてXcelerator製品ポートフォリオに追加し、成長を続ける配線配置セグメントに投資する予定です。アバターは、Calibre®プラットフォーム、Tessent™ソフトウェア、Catapult™ HLSソフトウェアなど、市場をリードするメンターの既存製品と統合され、お客様が現在および将来の設計実装の課題に対応できるよう支援します。

「お客様は先進のプロセス・ノードへの移行を加速しており、複雑化への対応は極めて重要な課題となっています。アバターの革新的なソフトウェア・アーキテクチャーと定評ある使いやすさは、お客様が先進のノードの配置配線機能によって、この課題を克服するために役立ちます。シーメンスの投資に支えられるアバターのソリューションは、既存の競合製品よりも優れたPPAをもたらし、設計完了までの時間を短縮します。シーメンスは、アバターのチームとそのコミュニティーが加わることを歓迎しています」と、シーメンスのメンターIC EDA担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、ジョセフ・サヴィッキー(Joseph Sawicki)は述べています。

7nm以下のプロセスでは、配置の際に詳細配線を検討する必要があります。アバターは、すべてのエンジンがいつでも完全な設計データや属性にアクセスできるよう、統合インメモリー・データ・モデルに基づいてボトムアップで構築された、詳細配線中心のアーキテクチャーを開発しました。これにより各エンジン (配置、配線、タイミング、最適化、クロック・ツリー合成など) は、他のエンジンを動的かつ付加的に起動できるようになります。

「アバターのアプローチにより、配置配線のあらゆる段階を通じて優れた相関付けが可能になり、PPAが向上します。アバターがシーメンスに加わることで、はるかに大規模なリソース・プールを活用し、このアプローチをさらに進展させ、研究開発を加速し、市場シェアを拡大できます。私たちはこれまでの技術的成果と優れたカスタマー・サポートの名高い実績を誇りに思っており、シーメンスの一部としてこうした長所をさらに強化できることを楽しみにしています」と、アバターの最高技術責任者、ピン・サン・ツェン (Ping San Tzeng) 氏は述べています。

アバターの製品は、2017年にATopTech Inc.から買収した技術に基づいています。製品ラインには、ネットリストからGDSまでのフル機能のブロック・レベル物理実装ツールであるAprisaと、完全なトップレベルのプロトタイピング / フロアプランニング / チップ組み立てツールであるApogeeが含まれます。業界トップの半導体ファウンドリーでは、28nmおよび7nmなど、確立された先進プロセス・ノードでの設計に関してアバターの製品が適格と認められており、現在は6nmおよび5nmについても開発が進められています。

シーメンスによるアバターの買収は2020年下半期に完了予定であり、買収の条件は公開されません。

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、エンジニアリング、製造、電子設計といった技術的分野を結合し、「将来」の目標を今実現するために努力を続けるデジタル・エンタープライズを支援しています。 同社のXcelerator製品ポートフォリオは、あらゆる規模の企業がデジタル・ツインを作成 / 活用することで、イノベーションを推進するための新しい洞察力や機会、そしてさまざまな段階における自動化を促進する支援をします。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの製品およびサービスの詳細については、http://www.sw.siemens.comをご覧ください。

シーメンスのIC製品の詳細については、www.siemens.com /mentorをご覧ください。

シーメンスデジタルインダストリーズ(DI)はオートメーションとデジタル化における革新的なリーダーです。パートナーやお客様と緊密に協力して、プロセス業界とディスクリート(部品組み立て)産業のデジタル・変革を牽引します。DIはデジタルエンタープライズポートフォリオによって、あらゆる規模の企業がバリューチェーン全体にわたって統合とデジタル化を実現するための、包括的な製品、ソリューション、サービスを提供します。各業界固有のニーズに合わせて最適化された、DIのユニークなポートフォリオは、お客様の生産性と柔軟性の向上をサポートします。DIは常にポートフォリオに革新性を追加し続け、未来の先端技術の統合に努めています。DIのグローバル本社の所在地はドイツのニュルンベルクで、世界に約76,000名の従業員を擁しています。

シーメンスAG(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、170年以上もの間、卓越したエンジニアリングとイノベーション、品質と信頼性、そして国際性を象徴するグローバルなテクノロジー企業であり続けています。発電および送電、ビルや分散型エネルギー・システム向けのインテリジェントなインフラストラクチャー、プロセス産業や製造業向けの自動化およびデジタル化の分野を中心に、世界中で事業を展開しています。鉄道および道路交通のスマートモビィティソリューションの主要サプライヤーである、個別管理会社のシーメンスモビリティを通じて、旅客および貨物サービスの世界市場を形成しています。さらに上場会社であるSiemens Healthineers AGとSiemens Gamesa Renewable Energyの株式の過半数を保有することで、医療技術やデジタルヘルスケアサービス、環境に優しい陸上/洋上風力発電ソリューションの世界的な大手サプライヤーとなっています。2019年9月30日を末日とする2019会計年度の売上高は868億ユーロ、純利益は56億ユーロでした。2019年9月末時点の全世界の社員数は約385,000人です。シーメンスに関する詳細www.siemens.comにてご覧いただけます。

注:シーメンス関連の商標リストについてはこちらをご覧ください。その他の商標はそれぞれ各所有者に帰属します。

この資料は2020年7月15日に米国テキサス州プラノより発表されたプレスリリースを翻訳したものです。

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