2022年9月15日

APAC全域でアドフラウドが増加
IASが最新メディアクオリティレポートを発表

●アドフラウド対策を行ったキャンペーンでは、未対策のキャンペーンと比較してアドフラウドの発生率が10分の1に低下する
●クリスマスや年末の買い物シーズンを前に、広告主は不正なインプレッションを監視・ブロックする必要性がある

2022年9月15日 – デジタルメディア品質分野のグローバルリーダーであるIntegral Ad Science(ナスダック:IAS、本社:米国ニューヨーク、CEO:リサ・アッツシュナイダー / 日本オフィス:東京都千代田区、日本カントリーマネージャー:山口武、以下 IAS)は、本日「2022年上半期メディアクオリティレポート 第17版」を発表し、アジア太平洋地域のデジタルメディアのパフォーマンスとクオリティに関する透明性を、世界比較とともに明らかにしました。
本レポートでは、過去6ヶ月間にメディアの品質がどのように変化したか、またマーケターがこれらの変化を利用して今後のキャンペーンパフォーマンスを最大化するにはどうすればよいかを探っています。

レポート全文はこちらからダウンロード:integr.al/3LcpVAI

2022年上半期にアドフラウドが上昇、
不正対策を講じていないキャンペーンではアドフラウドが10倍の速さで上昇

2022年上半期のアドフラウドは、ほぼ全ての国で増加しました。APACも例外ではなく、この地域のほとんどの市場で、デスクトップ ディスプレイ広告のアドフラウドが増加し、シンガポールが前年同期比(YoY)1.9ポイント増と最も高く、4.9%に達しました。シンガポールに次いでアドフラウドが高かったのは日本で3.3%(YoY 0.7ポイント増)、ベトナムが3.1%(YoY 1.6ポイント増)となり、高いアドフラウド率を示しています。デスクトップ ディスプレイ広告のアドフラウドは、オーストラリア(1.6%)とニュージーランド(0.7%)でも前年同期比で増加しましたが、インド(0.8%)ではわずかに減少しました。世界全体でみると、アドフラウド対策済みキャンペーンのデスクトップ ディスプレイ広告におけるアドフラウドの世界平均は1.4%、未対策キャンペーンの世界平均は13.2%に達しています。

APACでは、モバイルウェブでの広告配信はデスクトップよりも安全であることに依然変わりはなく、一部の市場でアドフラウド対策済みキャンペーンにおけるアドフラウドが上昇してはいるものの、そのほとんどは1%未満にとどまっています。対策済みキャンペーンのアドフラウドはシンガポールで0.9%、ベトナムは0.5%、インドネシアでは0.4%でした。インドとニュージーランドは0.2%で、前年同期と比べて変化がなかったことが明らかになっています。一方、モバイルウェブ ディスプレイ広告のアドフラウドは、オーストラリアが前年同期比0.2ポイント減とわずかながら減少し0.4%、日本では前年同期比0.6ポイント減の1.7%となっています。

また、インドネシア、日本、シンガポール、ベトナムでは、モバイル環境において、プログラマティック広告で発生するアドフラウドが、パブリッシャーから直接買い付ける広告よりも高いことが判明しています。

IASの技術が導入されたモバイルキャンペーンでは、アドフラウドの発生率が低下した一方で、未対策キャンペーンで発生するアドフラウドは、対策済みキャンペーンの10倍のペースで増加していました。世界的にみて、不正防止対策をいっさい講じていないモバイルキャンペーンは、対策済みキャンペーンと比較して最大で16倍も多くのアドフラウドが発生しています。

アドフラウドは、広告予算とCPMの上昇を追いかけていきます。まもなく、クリスマスや年末のお買い物シーズンが到来するにあたり、広告主は不正なインプレッションを監視・ブロックし、入札前ソリューションを適用して、プログラマティックな広告取引時に発生する不正行為に対して、さらなる対策を講じる必要があります。

APACの市場は、コンテクスト・ソリューションを活用した戦略によって
ブランドリスク削減を世界的に主導している

ブランドリスク*は、コンテクスト・ソリューションの活用が進むことによって、減少傾向を維持しています。インドネシアは、デスクトップ ディスプレイで3.7ポイント、モバイルウェブ ディスプレイで3.3ポイント低下し、最もブランドリスクが低下した国の一つです。ベトナムは、年間ではわずかに上昇したものの、モバイルウェブ ディスプレイのブランドリスクは世界でも最も低いレベルの0.8%でした。APAC市場のモバイルウェブにおけるブランドリスク水準は、世界平均の2.3%より低い状態を維持しています。

世界全体で、ディスプレイ広告のブランドリスクは、暴力カテゴリに牽引されることが多く、オーストラリア、インドネシア、シンガポールでも同じ傾向が見られました。また、ベトナムでは違法ダウンロードが、インドでは不快な言葉が、ブランドリスクの大部分を占めていました。この事から、ブランドの適合性と安全性の戦略を頻繁に見直し、キャンペーンに常時適用することの重要性が浮き彫りになっています。
*メディアクオリティレポート第16版 – Integral Ad Science, 2022年3月を参照

プライバシーに配慮したターゲティングは
今後コンテクスト・ターゲティングが主流になる見込み

GDPRのような障壁やCookieの非推奨化が迫る中、マーケティング担当者は、オーディエンスのプライバシーを侵害することなくつながりを持つという課題に対処しなければなりません。コンテクスト・ターゲティングは、広告主が適切なタイミングで適切なオーディエンスに広告を届け、成果を上げるための、プライバシーに配慮した効果的な広告手法です。

IASは、大規模かつ最大級の粒度でコンテンツの分類を行っています。ページ単位のコンテンツ分類には感情分析とセンチメント分析の両方が使用されるため、マーケティング担当者はIASのコンテクスト・ターゲティングを利用することで、従来のターゲティングツールよりも高い精度で大規模に、ターゲットオーディエンスに広告を届けることができます。さらに、最近行ったContext社の買収により、IASは標準的なフレームワークの枠を超えてロードマップを加速させることができるようになりました。将来的には、より多くのソーシャルプラットフォームやCTVに機能を拡張することができます。それにより、画像、音声、動画を含む高度なマルチメディア分類が実現できるようになります。

APACほぼ全ての市場において、
デスクトップ ディスプレイのビューアビリティ率が上昇

日本を除く全てのAPAC市場において、デスクトップ ディスプレイ広告のビューアビリティが上昇し、オーストラリアが74.6%と最も高いビューアビリティを記録しました。一方日本は、世界平均の71.5%に対して、48.4%と世界で最も低いビューアビリティを記録しました。他のAPAC市場は、60%以上のビューアビリティを保っています。

オーストラリア、インドネシア、シンガポール、ベトナムは、モバイルアプリでのビューアビリティが65%を超えました。モバイルアプリでのビューアビリティの高さは、IAB Tech LabのOpen Measurement SDKの採用が進み、測定データにサードパーティがアクセスできるようになったことも寄与しています。各地域の広告主は、ビューアビリティはアテンションを得る(消費者の注意を引く)大前提であり、アテンションに取り組む前に、まずはビューアビリティを上げる必要があることを理解していると言えます。

IASのAPAC担当シニアバイスプレジデントであるローラ・キグリーは、次のように述べています。「APAC地域の新興市場からデジタルメディア品質のパフォーマンスの向上が見られることは、大変心強いことです。パブリッシャーは広告在庫を見直し、クライアントに高いアテンションとビューアビリティを提供するためにサイトを再設計し、リスクを回避して不正を減らすために重要な戦略を実施してくださっています。しかしながら、アドフラウドは増加傾向にあり、広告主は不正行為を監視するだけでなく、ブロックできているかを確認する必要があります。不正対策を講じていないキャペーンにおけるアドフラウドは、対策済みキャンペーンの10倍にも増える可能性があります。広告主は、最大のインパクトとROIを得るために、広告の入札前と入札後の戦略をしっかり立て、検証ソリューションを導入し、ダイレクトおよびプログラマティックによる広告表示のインプレッションを確実に保護し、最適化していく必要があります。」

Integral Ad Scienceについて
Integral Ad Science(IAS)は、デジタルメディア品質の向上において世界をリードする企業です。IASは、広告が本物の人間によって、安全かつ適切な環境で閲覧されることを支援し、コンテクストに基づくターゲティングの活性化やサプライパス最適化を推進することで、すべてのインプレッションを価値あるものにします。私たちの使命は、世界をリードする広告主、パブリッシャー、プラットフォームが利用する、デジタルメディア品質の信頼性と透明性の世界的な基準となることです。IASは、実用的なリアルタイムの情報と知見を備えたデータに基づくテクノロジーの提供で、これを実現します。2009年に設立し、ニューヨークに本社を置くIASは、世界中で何千社ものトップクラスの広告主やパブリッシャーを支えています。
詳しくは、 integralads.com/jp/ をご覧ください。

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