2025年1月10日

AnsysとCognata社、Microsoft Azure上でのロバストなADAS/AVセンサーテストを実現

AnsysはCognata社およびMicrosoft社とウェブベースのプラットフォーム上で協業し、ユーザーが実環境を模倣したバーチャル環境でADAS/AV車載センサーのテストと検証することを可能に

主なハイライト

  • Ansys AVxcelerate Sensors™ シミュレーション ソフトウェアは、Cognata社が管理し、Microsoft Azure上で動作するAutomated Driving Perception Hub (ADPH: Automated Driving Perception Hub) プラットフォームを、高忠実度のレーダーおよび電磁 (EM) 波伝播シミュレーション機能で強化
  • このプラットフォームは、機械学習の推論および可視化ワークロード用にAMD EPYC™中央演算処理装置 (CPU) およびRadeon™PROグラフィックスプロセッシングユニット (GPU) を搭載
  • ADPHは、サーマルカメラ、レーダー、LiDARシステムなど、メーカー認定のバーチャルセンサーモデルのライブラリをホスト

Ansys (NASDAQ:ANSS)は、AVxcelerate SensorsがCognata社のAutomated Driving Perception Hubを通じてアクセスできるようになったことを発表しました。ADPHプラットフォームは、Microsoft Azure、第4世代AMD EPYC™プロセッサ、およびRadeon™PRO GPUで動作します。ADPHにより、OEMは、認証されたメーカーのWebベースのセンサーモデルに簡単にアクセスでき、バーチャルツイン技術を備えた忠実度の高いシミュレーションプラットフォームを使用して、先進運転支援システム (ADAS) および自動運転車 (AV) 機能の共同テストと検証が可能になります。

ADPHにより、OEMおよびセンサーメーカーは、National Highway Traffic Safety Administration (NHTSA)およびNew Car Assessment Program (NCAP)によって定められたものを含む、さまざまな業界標準に照らして認証されたセンサーをテストし、検証することができます。現在、このプラットフォームには、サーマルカメラ、LiDAR、さまざまなレンズ歪みを持つRGBカメラ用のCognataセンサーモデルが含まれており、フォトリアリスティックな画像とシミュレーションを可能にするDeep Neural Network(DNN)テクノロジーを活用しています。

またAnsys AVxcelerate Sensorsの追加によって、ユーザーは、高周波数内の材料特性を考慮した電磁波の伝搬を再現する物理ベースのレーダーモデルにアクセスして、信号強度と精度を向上させることができます。レーダーシミュレーションは、移動物体によって引き起こされる周波数の小さな変化(ドップラー効果)など、レーダー信号干渉を処理するアルゴリズムをテストおよび改善するために使用できる生データを提供します。AVxcelerate Sensorsはレーダーサプライヤーのバーチャルモデルに接続すると、センサーのバーチャルツインが生成され、OEMは強化された予測精度でその性能を評価できます。

Cognata社の創設者兼CEOであるDanny Atsmon氏は、次のように述べています。
「当社は、Ansysのレーダーシミュレーション技術をADPHプラットフォームに統合することで、OEMおよびTier1サプライヤーに比類のない精度でセンサー検証を提供できることを嬉しく思います。複雑な電磁波の相互作用をシミュレーション可能なAnsysの性能によって、当社のプラットフォームはレーダーベースのADASおよびAVシステムに正確で現実的な知見を提供できるようになります。この協業により、さまざまな条件下でセンサー性能をテストし、改良する業界の能力が大幅に向上します」

車両のカットインと自動緊急ブレーキ

AMD Radeon PRO V710 GPUによって実現されるCognata社の生成AI転送技術は、忠実度の高いバーチャルセンサーを提供することで、RGBカメラシミュレーションプラットフォームを強化します。シミュレーション内でセンサーの実世界の挙動を正確に捉え、再現します。

AnsysのVice President of ProductsであるShane Emswilerは、次のように述べています。
「AnsysのAVxcelerate Sensorsには、複雑な環境でのレーダーの相互作用を正確にモデリングするためのリアルタイムレーダー機能が搭載されています。CognataのADPHプラットフォーム上でソリューションを提供することで、お客様は厳しい規制基準を満たす実世界の運用を設計できるようになります。業界が完全自動運転に向けて取り組んでいる中で、安全性の検証は最優先事項です。そして、AnsysとCognataの共同作業は、この一般的に長く複雑なプロセスを合理化します」

Microsoft社のAzure AIインフラストラクチャ担当バイスプレジデントであるNidhi Chappell氏は、次のように述べています。
「当社はAnsysおよびCognataと協力して、Microsoft Azure上の自動運転の検証とシミュレーションを強化できることを嬉しく思います。Ansysの高度なレーダーシミュレーション技術を統合することで、当社はOEMおよびTier1サプライヤーに高いレベルの精度でセンサー検証を提供します。この協業は、ADASおよび自動運転車技術の開発と検証をサポートする最先端のクラウドインフラストラクチャを提供するという当社のコミットメントを強調しています」

Cognataについて
Cognataは、自動運転プラットフォーム向けのエンドツーエンドソリューションで最先端の自動運転技術を提供しています。フォトリアリスティックなシミュレーションプラットフォームを作成する高度なエンジン以外に、Cognataは、市場提供のノウハウ、製品統合、包括的なV&Vウォークスルー、エンドツーエンドを提供します。Cognataは、世界最大級の自動運転車メーカーと協力して、自動運転およびADASエンジニアリング機能を加速させ、人工知能とコンピュータビジョンの独自のパワーと専門知識をもたらし、開発プロセス年数を短縮します。

Ansysについて
当社のミッション: 人類の進歩を促進するイノベーションに力を™
Ansysのシミュレーションは、ビジョナリーカンパニーが世界を変える革新的アイデアを、設計から現実のものにするために活用されています。50年以上にわたり、Ansysのソフトウェアは、様々な業界のイノベーターがシミュレーションの予測能力を活用して、限界を越えることを可能にしてきました。持続可能な輸送手段から高度な半導体まで、衛星システムから救命医療機器まで、Ansysは人類の進歩における次なる大きな飛躍の原動力となります。

※本プレスリリースは、米Ansys Inc.が2025年1月2日(現地時間)に発表したリリースの抄訳です

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