2019年10月28日

麻布大学、食のデータサイエンティストを育成「食の情報」教育の導入により、食のスペシャリストの新たな形を提案

麻布大学(学長:浅利昌男、本部:神奈川県相模原市、 URL: www.azabu-u.ac.jp/)は、生命・環境科学部食品生命科学科において食のデータサイエンティストの育成を国内大学に先駆けて始めます。

食のスペシャリストに求められる新たなニーズに対応して、「食の安全」、「食の健康」、「食の情報」を 3本柱とした教育・研究体制を食品生命科学科で強化します。

これまで食品生命科学科では、「食の安全」と「食の健康」分野の教育・研究に重点を置いてきましたが、新たに「食の情報」分野を加えて、食のデータサイエンスに対応
する人材育成をおこないます。微生物環境から、栄養素の生体内代謝メカニズム、そして人々の生活環境まで、食と健康のサイエンスを幅広い視点から学ぶことができるユニ
ークな体系的学習カリキュラムを用意します。食に関する深い知識や洞察力のもと、データの収集や解析に必要な知識とスキルを身に付けた食のデータサイエンティストの育成を目指します。

食のデータサイエンティストに求められる3つの基礎
公衆栄養学実習における食事と健康状態のデータ解析の様子

不確実な栄養・健康情報が蔓延る現代に立ち向かう考え方として、科学的根拠に基づく栄養学(evidence-basednutrition:EBN)があります。例えば、疑わしい健康食品 に消費者が惑わされないようにするため、食品メーカーが健康維持に役立つ機能を表示した商品を販売する際には、国の定めるルールに基づいて、ヒトにおいて検証された科 学的根拠を示すことが義務となっています。このように、ヒト試験に基づく科学的根拠を示すために必須となる、情報収集や研究デザインの知識、データ解析のスキルは、今 後、食品関連ビジネスにおいても必須のスキルとなり、食のデータサイエンスを身に付けた人材の活躍が期待されます。

食のデータサイエンティストは、統計・数理(数学)、コンピュータ(IT)、そして食の科学に関する知識が必要です。ビックデータの収集や解析に必要な統計関連の数学 的知識と、プログラミングや人工知能を活用できるコンピュータ関連の知識を養成するカリキュラムを整備します。また本学の特色である少人数制による教育環境を活かして、数学関連の講座では、習熟度別クラスの採用により、学生個人の能力に応じた指導を行います。

今年度は公衆栄養学研究室をはじめ新たに研究室・教員の強化を行い、2022年度から本格的に教育を実施するための準備を進めます。また学部・学科を越えて、全学の教員との連携・協力により、充実した教育体制を整備していきます。

〇食品生命科学科の特長
食品生命科学科は、健康な社会を維持・発展させるために、人の公衆衛生および保健衛生学を基礎として食品科学・栄養学および衛生学を学び、食の安全・安心にかかわるリスク評価と食品の機能性にかかわる専門性の高い食品衛生、食品科学および公衆衛生分野で活躍する幅広い職業人を養成しています。

さらに、麻布大学は、獣医系大学としての長年の教育・研究実績を活かして、食品安全の専門人材育成の教育を積極的に推進しています。食品関連業界においてニーズの高まるHACCPの人材育成に対応し、食品生命科学科では本年度、一般財団法人食品安全マネジメント協会(所在地:東京都千代田区、理事長:西谷徳治)から国内の四年制および私立大学として初の食品安全研修コースの認定を受けています。

*HACCPとは
HACCP(Hazard Analysis and Critical ControlPoint)は食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因(ハザード;Hazard)を分析しそれを最も効率よく管理できる部分(CCP;必須管理点)を連続的に管理して安全を確保する管理手法である。

同学科の情報に関して:
www.azabu-u.ac.jp/academic/life_environmental/food_life/

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